『イノセントデイズ』 早見和真

あらすじ
田中幸乃30才
元恋人の家に放火して妻と1才の双子を殺害したとして死刑を宣告された。
死刑囚となった幸乃の犯行の背景には
何があったのか。
TVや新聞が報じる事件の向こう側には
何があったのか。
幼少期から事件が起きるまで幸乃の周りの人々の視点から描かれている。
重い題材で苦しい場面も多々…だったが
読み終わって本を閉じた時
あ〰️〰️凄い小説を読み終えた!
それは幸乃のもがき苦しみ続けた幼少期からの生い立ち。いじめ、家庭不和、DV…と地獄のような世界から抜け出せずやっと息をするように日々を生きてきた。
そんな中でも幸乃を信じる人達がいた。
そして、事件の真相が証された時、
なんともいえない苦しい胸の痛み…
とともにわずかな一筋の光が見えた。
苦しい胸の痛みが伴う、
そんな悲惨な人生を歩んできた幸乃を思うと
気の毒で気の毒で胸が張り裂けそうになった。
でも、わずかにほんの少しの安堵感…
苦しいだけではない何か…
が確かにあった。
余韻の残る素晴らしい小説でした!