#503  

『Kwaidan』

YL 4.5 - 5.0        10500 words

Ladder Series    Level - 3

小泉八雲 Lafcadio Hearn

オススメ ★★★★★


 

Kwaidan 怪談 ラダーシリーズ

 収録作品は8作

1.The Story of Mimi‐Nashi‐Hoichi(耳なし芳一の話)

2.Yuki‐Onna(雪女)

3.Rokuro‐Kubi(ろくろ首)

4.Mujina(むじな)

5.The Story of Aoyagi(青柳のはなし)

6.A Dead Sectet(葬られた秘密)

7.The Dream of Akinosuke(安芸之助の夢)

8.Diplomacy(かけひき)


雪女は東北地方の話だとばかり思っていたら、東京の青梅か八王子の多摩川のほとりの話だそうです


若い兄ちゃんと年寄りの2人のwoodcutterが行った山は

a forest about five miles from their village

5マイル……8kmでも二里でもないのか

日本の話じゃないみたい。職業も

東京も江戸時代は雪女がいるし、大正時代でも鬼は出るし鬼殺隊もいるし怖い所だ




知らなかった話で気に入ったのは『The Story of Aoyagi』(青柳のはなし)


☆あらすじ☆

能登の領主畠山義統に仕える、若い侍友忠が京への旅の途中で吹雪にあう

友忠は丘のそばに小さな家を見つけ助けを求めた

その家には老夫婦と若い娘が三人で暮らしていた

娘の名は青柳といい、顔がメチャ可愛い。友忠の和歌に速攻で返歌をするなど教養もある

すっかり気に入ってしまった友忠は青柳をヨメに欲しいと翌朝老夫婦に頼む

「娘をどうかよろしくお願いいたします」


領主の許可がないと結婚できないのに勝手に連れてきてしまったので友忠は青柳を隠していたが、当然すぐに同僚に見つかってしまう

青柳は領主のもとへ連れて行かれてしまった

「うちのボスかわいい女の子が好きだからきっと奪われてボスの嫁にされる。悲しい悲しい」


城から呼び出されたので友忠がヨロヨロと向かうと


ボス「そんなに好きなら正式に結婚すればいーじゃん!いーじゃん!」


城には既に家臣たちが勢揃い

sliding doorsをスパーン!と開けて、さあパーリーの始まりだ!


そして二人はいつまでも幸せに暮らしました


ところが

結婚から5年後のある朝、青柳が突然痛みで苦しみながら倒れる

「今まで黙っていましたが私は実は柳の木の化身です。今まさに誰かが切り倒そうとしています

I also believe that we will meet again in a future life. But for now ,our relation is now ending. We will be separated.」

そして青柳は着物だけを残し跡形も無く消えてしまった


その後友忠は髪を落とし仏門に入り、僧侶として各地を回った

越前に行った時に、かつて青柳が両親と暮らしていた丘のそばの家に寄ってみたが、そこには何もなく更地になっていた

古い柳の切り株2つのそばに若い切り株が一つがあるだけだった


2024年6月20日読了   累計語数 918万語



令和の今、その越前の更地の丘にはソーラーパネルがぎっしりと敷き詰められていることでしょう


2025年の秋からのNHKの朝ドラが小泉八雲と聞いて今から楽しみです

その前の春からはやなせたかしの話らしい