作品のオープニング…、ボールを持って、見事な「走り」で登場した8名。ボールは両手に持ったまま、何か難しい技をしているわけではありませんが、このボールを持った腕の運び方が、綺麗に走る為の要となります。
ボールは手でギュッとわしづかみはせず、両サイドからフワッと支え、ピンと伸びた指先のさらに先にボールが輝いて見えるように持ちます。走り出しに、ボールを下から上へ、伸びた腕に頭と上体も付けて勢い良く走ります。ボールを先行して動かす事により、自然と身体にスピードが付きます。伸びた腕の先のボールがてっぺんに来た時に、ピンと立ちます。スピードが付いた身体を急に止めるのは、全身の上下の引っ張りも大切で、美しく伸びきった身体は、新体操の美しい演技の特徴です。
ピンと立った姿は、船の帆(マスト)に見立てています。そこから一人ずつ、ボールの高い投げ上げです。実はこちらのエントランスロビー、天井はなんと、地上4階立ての吹き抜けで、てっぺんにはステンドグラス風の装飾が施され、とても綺麗なのです。こちらのステージの魅力の一つです。もし、安定した投げができれば、びっくりするほどに高く投げる事も可能です。
こちらのフェスティバルに何度も参加している上級生は、しっかりその事が把握できいて、夏休み中の天井の低いスペースでの練習でも、高い投げをイメージして練習いるのがわかりました。順番にカノンでボールを投げていき、最後は全員で迫力ある投げをします。決まりました。投げは、ピンポイントで狙った場所に届くように、ボールを放したら天井に指先を鋭く指します。そしてキャッチする時には、膝を上手く使って、音も立てずに柔らかく行います。その場での高いジャンプから、着地で床へ入る技をカノンで行い、高波を表します。鋭く脚を天井に指したパンシェでも、船の帆を表現します。力強いブリッジからの、天井へ向かう足上げで、荒波へ立ち向かう姿を。見事に音楽と調和して、色々な難しい徒手のテクニックを次々に決めました。


はばたけ夢
ドリーム新体操クラブ