朝一番で

歯医者さんに行ってきた


引っ越す度に

新しい歯医者に行くことになるから


ドイツに来てから

3軒目の歯医者さん



健康保険の決まりで

半年に1回

歯のチェックしなくちゃいけないし


それもあって、

歯医者さんからも

半年1回は

"そろそろ歯を見せに来てねー"と

催促の手紙がくる


歯に不都合がないし

前回行った時の先生は

短期のヘルプだったのか

テキトーすぎて信用ならないし…とで


気も進まないので1回目の手紙を

すっかり忘れていたら


数カ月してまた手紙が来たから…

仕方ない…

…行ってきた




数カ月ぶりに行ったら

先生が変わってて



なんと!

めっちゃヤル気ある

イケメン青年になっていたびっくり



ええ、もちろん、

医師として大事なのは

的確な診断と治療の腕前…



そこは私のクールな方の脳を使って

冷静に判断…



しかし、

新しいイケメン先生は

歯の様子とか丁寧に説明してくれたので

前回の先生より圧倒的に満足照れ



そして

イケメン先生繋がりで

ふと思い出した…




そういえば、

息子が最後に歯科医に行った時のこと…



あれは

あの歯科医の

忘れられない神応答の名言が出た日…







話は少しさかのぼり








ドイツに来て初めての歯科で

息子(確か当時5歳)は

緊張しつつも

それまでは普通に治療を受けていた


が、

治療途中で急に

不安MAXになったらしく


急に泣いて暴れ出した。




途中だから止めることも出来ず、

歯科衛生士の方々と

4人くらいで息子を押さえつける…



あああ…

まさに、

トラウマ話に出てくる


地獄絵図のような…ガーン




先生が

「本当にごめんね、でも治療途中で

やめるわけにはいかないから…!」

と申し訳無さそうに私と息子を見ながら

何とか頑張って

最後まで終わらせてくれた。




"息子くん、トラウマ確定…"

と、


その場に居た全員が思った。

ガーン




そして

まさにそのままトラウマになり…

その後は

定期検診も大変な事になった



治療室に入ってイスに座っただけで

全身から悲しみをかもし出し

無言でポロポロ泣き出す息子…



トラウマになった日もこの日も

一緒に付いてきてくれていた

当時お世話になっていた

ホストファミリーのお母さんが


"あんな可哀相な姿見るの耐えられない…"

と涙目で言い、



ドイツには

トラウマになって

静かに治療受けられなくなった子と

大人の為に

全身麻酔で歯科治療してくれる病院がある

と、



そこを予約してくれた。



ホストファミリーのお母さんもお父さんも

実の孫のように息子を可愛がってくれて


だからこそ、お母さんは

"私は悲しくて見てられないから

一緒に付いて行けない"

とまた涙目で言った




でも代わりに

ホストファミリーのお父さんが一緒に

全身麻酔歯科医に

付いてきてくれた。



麻酔される息子を見守るときと

麻酔が解けてくるまで待っていたときの


何とも心地悪い感じ…


大したことない歯の治療なのに

全身麻酔ということで


まるで


重大な手術でも受けたあとのような…



私とお父さん


どよーん…

ショボーンショボーン




麻酔が解けるのを待つ部屋に


"麻酔から覚めるときに

混乱して暴れる人がいるので

気をつけて下さい"

と書かれていた。



まさにそのとおりで

息子の目が覚めると同時に

泣きわめき暴れそうになったので

体の大きな

ホストファミリーのお父さんが

息子を抱き上げて

"もう大丈夫だよ、もう大丈夫だよ…"



暴れる息子を

しっかり抱きとめてくれていた。



子供とはいえ

私一人じゃ

あの暴れ方を

止められなかったと思い



本当にお父さんに感謝…✨



(ただの歯の治療が

全身麻酔のおかげて

まるで何かの

感動ドラマのようになってしまった…)





そして、

それ以来

自分たちの住居を見つけて

引っ越したのもあり


しばらく歯医者に行ってなかった息子



健康保険の方から

"歯科の定期検診受けて"と

2度目の手紙が来た時に



仕方ないか…


と、

私の重い腰を上げた。





一番近い歯科を予約した。



全身麻酔治療から3年近く経って

息子も少し成長したので

今回は大丈夫かな…


いえ、

大丈夫でありますように、と

ちょっと祈る私…




受付を済ませて

順番を

ドキドキして待っている私達。



名前が呼ばれ

担当の先生を見ると…



ちょっと長めの髪に

ちょっと日焼けした感じの


スポーツカー乗ってそうな(勝手な想像)

まさに欧米タイプの

イケメン先生だった。




チャラい感じは置いといて、


どうか息子と上手く

コミュニケーション取れてくれますように!


心から願う私。



しかし、


むしろあの、

チャラい感じの

威圧感のなさとオープンさが良かったのか



私の心配をよそに



泣きもせず

素直に先生の質問に答え


診察台に寝て

口を開ける息子。



先生が言った


"もし痛かったら左の手を上げて"


頷く息子

 

先生が歯をチェックし始めた直後


本当に直後


あの歯をチェックする器具が

歯に当たるか当たらないかくらいの早さで


息子は左手を上げた


びっくり早っ‼




先生は

一旦手を止め


実に冷静に

息子に聞いた



"本当に痛いの?

それとも

痛い感じがするの?"




ちょっと考えた後


"痛い気がする…"


そう弱々しく呟く息子



先生はまた

実に冷静に


"じゃあ次は、

痛い気がしたら…じゃなくて、

本当に痛かったら手を上げて"


そう、言った。




お願いその応答…

何気に物凄い核心ついてる…✨




私の予感は的中し


先生のその応答により


息子はその後

実に落ち着いて

最後まで診察を受け



最後には

やり遂げた自分を誇らしげに

胸を張って家路についた

ニコニコ



先生、

心の中で

チャラそうとか思ってゴメンなさい!

もう見た目だけで

人をチャラいとか判断しません(勝手な反省)

先生の神応答にリスペクト!



でも、それ以来

息子のトラウマは解けて

歯医者が怖くなくなったので


感謝とリスペクトを込めて

この出来事を

私の中で


歯科医の"神対応"と名付けた✨








そんな

遠い日の出来事を思い出しながら



歯医者のあとに通りかかったケーキやさんで

ショウウィンドウのケーキの誘惑に

喜んで負けてラブ



ルンルンで家路についた日でした♪


路面電車の中から…