金山川を跨いだ重要なアクセス道として交通量が増した「金山大橋」の隣に、
歩行者の安全の為に平成16年に造られた屋根付き歩道橋「木ごころ橋」です。
金山杉をふんだんに使い、金山職人の技が光る美しい橋です。
金山町の杉林は
江戸時代に一帯を治めていた藩主が藩の財政を支えるために杉を植林したのが始まり
と言われます。
宝暦年間(1751年~1763年)には既に
山奉行を中心とした山林経営が形成されていたという記録もあるということです。
建築で利用される杉は通常40~50年ほどで伐採されるものが多いのですが、
金山杉は樹齢80年以上となってから伐採されるとのこと。
冬が長く、雪深い気候の中でゆっくりと成長するため、
年輪が細かく均一で強度があるということで、
建築用材としてはとても優れているのだそうです。
圧巻なのは、大美輪(おみのわ)地区の樹齢300年前後の大杉の林。
樹高60メートルほどの大木が林立する空間は
世間からも時間からも遊離する気配に満たされているようです。
身長180㎝近い人間と比べて、その大きさを感じていただけますでしょうか。
杉の生育する環境は、他の樹木林にも増して湿潤なのだとか。
林の入り口から、下生えの植物はその葉に雫を光らせていました。
今回の金山行は観光目的ではなかったので
町中に近い数カ所のみを回ったに過ぎませんが、
その短い滞在期間に感じたのは
目と心にとても心地よい、穏やかに安らぐ色と風と空気感でした。
杉林の入り口で風に揺れるススキの群れと
最後にもう一度、金山町の全景を。