一週間に十日恋 氷配達2 | 三日忘湯

三日忘湯

一週間に十日恋Ⅱ
なんとなくグルメ系をメインとするC級日記

先輩が助手席、私が運転で道と場所を身体で覚えた客先。

なので、店名も覚えていない。ましてや電話番号もしらない。
事務所には客先名簿は有るはず。

だが、純粋に配達だけの私には、途中でトラブった場合
事務所に連絡して応援を待つしかない。

サービスエリア外で携帯電話が広まっていないし、
そんなものを持つお金もない頃のお話。

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パンクした車をジャッキアップしてしまったので
車に乗って待つわけにもいかず

車を持っている友達に電話をかけてみた。


いない。
夕方なので、食事だったり遊びに行ったり。

他に手は無いか。

無い。
とりあえず。先輩が事務所に戻るのを待つ。

何度か事務所にかけてみる。
出ない、まだ戻っていない。

従業員は先輩一人なので、
配達に出ると誰も電話に出ない。


先輩の知り合いに伝言をお願いしてみようか。

一つだけ、店名を知っているところがあった。
先輩が昔、働いていたと言っていた店。

でも、そこから連絡が取れるものだろうか。


パンクしてから、30分ほど経った頃だろうか。
いや、もっとかな。

車が寄って来て、人が出てくる。

「どうしたの?」

先輩だった。

先輩:
「配達はまだね。こっちの車に移して。
その車は、後でとりに来るから。」

と、事情を理解して対応に移る。

先輩:
「助手席に乗って。」

一番最初に、先輩の運転で、凍りを配りに行った時以来の助手席。

そういえば、考えていなかったが。

怒られるかな?

先輩:
「あの車ね、よくパンクするの。心配しなくていいから。」

そうなのか。な。

20分程で繁華街地域に近づき

先輩:
「ルートは変えた?」

最初に教わった道順だと、開店の順番が合わなかったり
この時間に来て、と要望があり、少し変えていた。

先輩:
「じゃぁ、運転して。で、あそこと、あれとそこは、私が行くから。」

分担というより、うるさいところに謝りに行ってくれたのだろう。

たぶん一時間近く遅れたけど、お客様は優しかった。

「今日は飲みに来たのかい?
まだ終ってないんだろ。ほら、これ持って行きな。」
乾き物を渡される。


配達も最後の一つを残し完了。


最後にしているのは開店時間が一番遅いから。
早く行ってしまうと、玄関に氷を置いていくことになってしまう。

先輩から
それでもいいと、言われていたが余裕があれば最後にしていた。

先輩:
「あと一箇所か。この氷は・・・」

氷の種類で配達先の店がわかる。

先輩:
「これでラストだし、ここは一緒に行こ。」


つづく。