晩秋の立山散策 剣岳の威容に感動 そして台風・・・
日程:2019年10月9日(水) - 10月12日(土)
行程:室堂->雷鳥沢キャンプ場->別山->雄山->浄土山->雷鳥沢キャンプ場->天狗平山荘
所要時間:1日目 01:23 / 2日目 11:26 / 3日目 04:52
移動距離:1日目 2.2km / 2日目 11.1km / 3日目 9.4km
※ より多くの写真はYAMAPかヤマレコをご覧ください(YAMAPの方が写真が多くサイズが大きいです)。
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いつかは、そしていつかは見たい(「登りたい」では決して無い)と思っていた剱岳。
よし!今年の秋は剱岳を見に行こう!という事で、立山に行ってきました。
往路は長野側から立山へ。最寄駅から電車を乗り継いで長野駅へ。
長野駅からは特急バスに乗って扇沢へ到着。平日ど真ん中の水曜日という事もあり、切符売り場はガラガラ。
まわりは、人生の大先輩方と外国人だけ。。。
とはいえ、数台の関電トンネル電気バスは都心の満員電車のごとくギュウギュウのすし詰め状態。
平日でこんなんでは、この後の三連休はどうなるんだと・・・。そんなことを考えつつ16分で黒部ダムに到着。
超いい天気です!
そこからはひたすら乗り継ぎ。空いているので、待ち時間無しでケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスとドンドン乗り継ぎます。
そして室堂に到着しヨタヨタと歩いていると、登山者の方はこちらで登山計画出して下さいねと声がかかりましたので、予め用意していた計画書を提出。
係の人から「剱は行かれますか?」と聞かれましたので「行きません。」というと、あっそみたいな感じで一般的な注意事項の説明を軽く受けました。
きっと「剱に行きます。」と言うと別の事を言われるんだろうと思うと、何て言われるのかちょっと気になる。。。
よーし、いよいよ立山だっ!とワクワクしていると、右手に立山そばの看板が。まぁ急ぐ旅ではありませんので、まずは腹ごしらえと。
そして、いよいよ建物から出ると、ドーーーン!
THE TATEYAMA!
明日歩く予定の雄山、大汝山、富士ノ折立、真砂岳、別山と勢ぞろい!
そして明後日歩く予定の大日連山!それにしても空が青い!立山ブルー!
さすがですね立山。広いしデカいです。
しばし眺めを楽しんだら雷鳥沢キャンプ場へ向かいます。それにしても日本語以外の言語が飛び交いまくりです。
アジア系はもちろんですが、アングロサクソン系も沢山来てました。
雷鳥荘までくると観光客もいなくなり静かです。そして今日明日のお宿となる雷鳥沢キャンプ場が見えました。
それにしても雷鳥荘からテン場までは結構下る。という事は帰りは登る・・・。
下りの途中にある雷鳥沢ヒュッテで缶ビール(400円/350ml)を買ってテン場に到着。
最高の天気と最高のロケーションの中、何はともあれプシュッ!うまー。
それにしても雷鳥沢キャンプ場は広い。
でも、場所によっては雨が降ったら水たまりになりそうな場所も多そうなので、若干斜めでも水はけが良さそうな場所をチョイス。
風もなく、天気が良すぎてテントの中は暑すぎるのでテントの外でマッタリ。
贅沢な時間。これが最高。そうこうしているうちに夕方となりアーベントロート。
明日の朝に登る雷鳥坂と別山が赤く燃えている。最高。
立山の稜線からは月が昇ってきた。最高。何も言うことなし。
2日目は未明の3時半に出発。まだ辺りは真っ暗。
ヘッデンを頼りに雷鳥坂を登っていきます。途中でカエルのような鳴き声。声がする方を見てみると雷鳥さん。
ヘッデンの明るさに嫌気がさしたのがすぐに飛んでいきました(それにしても飛ぶのが下手な鳥ですね・・・)。
テント場から見るとすごく急に見えた雷鳥坂ですが、適度に九十九折りになっていて思ったよりも楽に登れて、約2時間で別山乗越に到着。
そして、剱御前小舎の前を通り過ぎると・・・・。
ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!
夜明け前の薄暗い中に厳然とたたずむ剱岳。
一瞬息をのみ、そしてテンションマーーーーーーーーーーーーックス(゚∀゚)!!
ついに会えた憧れの岩の殿堂。もはや今回の山行の目的は95%達成な気分です(`・ω・´)
別山に向かう稜線では常に左手に剱。
夜明けに向かいモルゲンロートに染まる剱を見ながら歩く稜線は格別です。
別山山頂は360度の大展望。全部見えました。遠くまで見えました。きっとその時の自分はドヤ顔だったと思います。
別山で存分に剱を楽しんだら、雄山に向かって立山の稜線歩き。
別山からの下りはなかなか急で、ちょっとムズムズしました。
稜線からは明日登る予定の大日連山。その向こうには富山湾。
テン場から見た奥大日岳は、なかなか大きく高い山に見えましたが、ここから見ると低山に見える。。。
真砂岳からは北アルプス(北側)の主役たちがズラリ。
鹿島槍も五竜も唐松も白馬も全部!(この時はどれが鹿島槍なのか分かりませんでしたが)
真砂岳を過ぎたら次は富士ノ折立。そこへ向かう稜線は歩きやすい道。遠くから見たらヤセ尾根っぽいですが実際はそんなことはありませんでした。
東側には内蔵助氷河。氷河・・・うーむ氷河か。ちょっと小ぶりですね。。。
そしてその先には富士ノ折立へと突き上げる急登・・・。
午前7時ぐらいになるとようやく室堂平にも太陽が届きはじめました。
最近テント場からテントが盗まれる事案が続いたようなので、自分たちのテントがちょっと気になってついつい探しちゃう。
真っ青な空の下ご機嫌な稜線歩きで富士ノ折立を過ぎ、大汝山を過ぎると雄山神社の峰本社が見えました。
この辺りからすれ違う人が増えてきました。心なしかみんなニコニコ(いやニヤニヤの方が正しいか)している。もちろんわたしもですがw
これまでの砂礫の道ではなくこれからは岩々の道が始まります。
そして雄山山頂に到着。この時期は既に神社の関係者はおらず、山頂への扉は開けっ放し。
通常は参拝量が一人500円かかる(その代わりお祓い付き)のですが、この時期は無料で入れます。
山頂での眺めを十分に楽しんでいたら、次から次へと人が昇ってきます。平日なのにすごい人気です。
雄山から一ノ越への下りは結構な急坂。「観光客が昇る道なんでしょ?」と甘く見てました・・・。
息も絶え絶えな人たちが次から次へと昇ってきます。平日でこれだと、明後日からの三連休はすごい人なんだろうなと。
ただ、登りと下りが分かれていて一方通行に道が切られているので、譲り合いが無く楽ですね。
午前11時頃に一の越山荘に到着。たくさんの人が休んでいました。
ここで私はカップヌードルのカレー味(400円)、妻はノーマルカップヌードルを頂き、しばしノンビリ。
ここでヘバッていたら大人しく室堂平へ下る予定でしたが、時間も体力も余裕があったので計画通り浄土山へ。
一の越山荘から浄土山方面はグッと人が減り、我々人ごみ嫌い人種にはご機嫌な道。
道も緩やかな登りで気持ちが良いです。
浄土山の手前にある富山大学の施設の前からは笠ヶ岳に連なる稜線がクッキリ。手前には一度行ってみたい五色ヶ原。
立山カルデラも全体がよく見えます。これは雄大。
噴火後に雨なんかで浸食されてここまでデカくなったそうな。ちなみに、浸食される前は弥陀ヶ原と五色ヶ原は一つの台地だったそうな。
浄土山から今日歩いてきた稜線を振り返ってみる。これが結構嬉しいんですよね。登山者あるあるですよね。
一日中雲一つなく真っ青な空の下で最高の山行です。
あとは浄土山を下りて、昨日と同じルートをたどってテント場へ戻るだけ。
と油断していたら、これまた浄土山からの下りもなかなかの曲者。
ここにきて両手を使って下りないと駄目なルートが出てくるとは思いませんでした。。。
テン場に戻ビールを飲みつつ、この日もアーベントロートを楽しみながら次の日の天気をチェックすると、台風の影響か微妙な天気。
平野部は曇時々ちょっと雨。やまてん(https://i.yamatenki.co.jp/)でも微妙。
(立山はほぼ全域でドコモとソフトバンクはアンテナきっちり立ってました)
出発時に雨が降っていなければ奥大日を目指したいなぁと思いながら19時には就寝。
そして翌朝2時半に起きると、雨は降っていない。ホッとしながら出発の準備をしているとポツポツと・・・。
しばらく様子を見ていてもやむ気配が無い。山の上はガスガスの気配。というわけで奥大日は諦め、さっさと二度寝。
30分置きに起きて外の様子を伺ってみては三度寝、四度寝の繰り返し。いつまでも寝続けることも出来ないのでノンビリと撤収の準備していると8時過ぎぐらいに雨が上がりました。
今日の計画では、奥大日をピストンしてテン場を撤収し天狗平山荘に泊る予定でしたが、早めに天狗平山荘に行きザックをデポして弥陀ヶ原周辺を散策する予定に変更。
ここで、台風の影響も考え、今日の内に東京に帰るという選択肢も考えたのですが、雨も上がったし次の日の朝一番で移動して帰ればいいやと(この判断が後々・・・)。
そして今回の最後の山場と思われる雷鳥荘への急階段・・・。
いつも以上にペースを落として一段ずつゆっくり登りましたが、やっぱりキツイわ。。。
室堂から西に折れて天狗平方面へ行くと、室堂前とはうって変わって誰もいないなか、広々とした台地の真ん中に作られた一本道をノンビリと。
時折青空も顔をのぞかせる中、室堂から約30分で天狗平山荘に到着。
この山荘の方々はオーナーをはじめ感じが良い人ばっかり。かなり早めの到着なのに、快く感じよく(ここ大事)ザックを預かってくれたり、チェックインの1時間前には部屋に入れるようにしてくれたりとか、こうした対応は気持ちが良いですね。
山荘に着いたのが11時過ぎでしたが超お腹が空いていたので(ちなみに朝食は早朝3時前に食べ終わってます)、おすすめのラーメン(みそ、塩、しょうゆから選べます)を食べてからトレッキングに出発。
本当は、翌日の早朝に山荘を出発し、徒歩で天狗平や弥陀ヶ原を歩いて美女平まで行く予定だったのですが、台風の影響で雨が確実だったので、翌日は朝一のバスで美女平へ移動することにしたので、今日少しでも楽しんでおくことに。
しかし、天狗平もいいところですね。
広々とした台地に池塘が点在して、その両サイドは高い山。遠くには幾重にも連なる山並み、そして翌日は台風という事もありすれ違う人も殆どおらず言う事無しです。
下の写真は玄関わきに貼られている周辺マップ。この地図に書かれているコースタイムですが、市販で売られている地図より正確な気がしました。
ちなみに、この地図ですが夕食時にランチョンマットとしても使われてます(山荘のオーナーがしきりにアピールしてました)。
天狗平山荘ですが、窓からは剱岳も見えます。大日連山も見えます。もちろん立山も見えます。室堂の宿泊施設からは剱は見えないので、ここが一番良い立地のような気がします。
施設内は掃除が行き届いていてとてもきれいです。施設内は禁煙でタバコは入口にある風除室というところで吸えます。
室内にトイレや洗面台は無く共用です。アルコールは自販機で買えます。
缶ビール350mlが500円、角ハイボール350mlが500円でSTRONG ZERO DRY350mlが350円。なぜかSTRONG ZEROが安い。
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ここから下は登山と一切関係なしです。台風ネタです。
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そして翌日・・・。念のため早めの5時に起床。窓の外は結構な風と雨。
風除室で一服しながら、天気予報と交通機関の情報をチェック。
・・・・・・・・・・・・グェッ
台風が予想よりも北寄りの進路となり、関東甲信越北陸の電車が早々に「終日計画停止」の発表が出ている。まぢかー。
前回の台風の時もさっさと電車を止めていたので気になってましたが、やはりかと。。。
こうなると今日中には帰れないのは確定なので、さっさとスマホで富山駅近くの宿を押さえて、あとは開き直ってどうやって今日一日を楽しむか。と言っても終日雨なんですけどね。
立山駅から富山駅までの富山地鉄が動いていたのが不幸中の幸い。まぢで。
開き直ってしまえば焦ることも無く、ノンビリと山荘の美味しい朝食を食べて、室堂まで山荘の車で送ってもらい朝二番のバスで美女平へ移動。
美女平からケーブルカーで立山駅へ降りたところ、駅前も構内もガラガラーン。。。三連休の初日なのに・・・。まぁ、来たくても交通機関が動いていないのでどうしようもありませんな。
時間がいっぱいあるという贅沢な状況なので、富山地鉄の千垣駅で途中下車して雄山神社の芦峅中宮へ参拝。
歴史を感じる良い雰囲気の神社でした。こうした施設では雨もまた一興ですね。
この神社の隣に立山博物館があり、ここを楽しみにしていたのですが、台風のため急遽休館してました・・・orz
この後、富山駅に移動し、翌日の午前中の新幹線の予約を確保し、時間とともに雨風が強まり夕食はホテルの近くの居酒屋で済ませて大人しく就寝。
そして翌朝・・・。念のため早めに起床。窓の外は小雨。風は小康状態。
一服しながら、天気予報と交通機関の情報をチェック。
・・・・・・・・・・・・グェッ
千曲川が氾濫し富山から東京へ向かう新幹線が絶望的な状況。まぢかー。
その他の路線もまだ調査段階で殆ど何も動いていない。まぢかー。
まぁ、悩んでも自分ではどうにもならないので10時ぐらいまでホテルでマッタリして、富山城を観光しつつ、とりあえず富山駅へ移動したところ、みどりの窓口には最後尾がどこか分からないぐらいの行列。。。
ネットで調べたところチケットの払い戻しは1年ぐらい可能なようだし、今みどりの窓口に行っても仕方が無い気もするので、IR石川鉄道が動いていることもあり観光がてら瑞龍寺(最寄り駅は高岡)に行くことに。
その後は金沢に移動して、(動いてくれることに期待している)しらさぎで名古屋か、サンダーバードで京都に移動してからの東京に一縷の望みを託すことに。
石川鉄道でノンビリと高岡へ移動中にネットを漁っていると、サンダーバードが動き始めているという情報が入ったので、さっそくネットでサンダーバードの予約を確保。ホッ。
金沢駅も富山駅と同様に、みどりの窓口はカオス。我々はスマホからe5489.jpというJR西日本のネットサービスで予約したので、長蛇の列を傍目に殆ど並んでいない発券機でチケットをゲット。ちょっとドヤ顔。いやかなりw
でも、必死になって指定席確保した割には自由席ガラガラ。結局、一本前のサンダーバードの自由席で京都まで移動しました。
京都につくと台風なんてあったの?的な普通な感じ。みどりの窓口も平和。新幹線は台風の影響なのか、逆に余裕がある状況でした。
結局、富山から東京まで1分も遅れること無く、20時前には最寄り駅に到着することが出来ました。
後半は台風でバタバタというかノンビリというか色々ありましたが、期待していた剱岳はこれ以上ないぐらい素晴らしいコンディションで見ることが出来ましたので大満足の山行でした。
※ より多くの写真はYAMAPかヤマレコをご覧ください(YAMAPの方が写真が多いです)。
< おすすめ!スマホ用地図アプリ >