プラネタリウムを体験してきました。
音にしても光にしても、常にどこかが何か作用していて、無になることなどなくどこかチカチカしている毎日。とにかく真っ黒、真っ暗、みたいな瞬間て、ネオンが溢れている現代社会、特に東京では、意図的にでないと作れない空間だったりします。
プラネタリウムという光を操作できるこの空間の中ではたまに漆黒の時間があります。
奏者の方の楽譜を照らす譜面灯が怪しく光りだす前のその間、人工的な星たちが、プログラムされたその規則正しい光を放つ瞬間までの間、目を開けても広がるのは漆黒の闇。
何が面白かったかって、自分の眼から真っ黒が外の世界へ滲み出る、みたいな感覚が一番面白かった。
今回見たプログラムが、たまたま、プラネタリウムの星空の中ベートーヴェンの名曲たちをピアノカルテットの生演奏で聴くというもので、職業柄楽器の音を自動的にジャッジしてしまうシステムのアンテナを閉じて、まるで野外で見知らぬバンドがふらっとライブをやってるみたいに、音を遠く優しい音にして、ラフにリラックスして過ごしました。
誰かといても独り。
そんなふうに分離して感じる。
昔から感じるそれは誰のせいでもなくて、私がある一点から自分から自分の蟻の巣のような世界に勝手に入っていってしまうからなんです。だからいいとか悪いとかでなく、別にどうでもいいことかもしれませんが、何故か今回は分離感がなくて一緒に見ることで身体や世界が広がるような感覚がありました。
自分の世界と他の人の世界、1✖️1が2分の1ずつの1になるのでなくて、かけあわさって、2倍になる。
私にはそんな新鮮な体験でありました。