私は今年から、毎月一冊、本を読むことに決めた。
その第一冊目が、長濱ねる著作の「たゆたう」だ。
私はもともと欅坂46のオタクをしていた。
推しは「平手友梨奈」と「長濱ねる」だ。
欅坂46との生活は、平手友梨奈の脱退とともになくなった。
長濱ねるとは、卒業イベント以来ご無沙汰だった。
あのころ、芸能界をやめてほしくないと切に願った自分も、今はもういない。
しかし、横目で彼女たちの活躍をいまでも観察している。
なのでこのエッセイのことも発売当初から知ってはいたものの
なかなか完璧主義なもので、ファン以外立ち入り禁止感を感じてしまっていて、手が出せずにいた。
それも、実物を目にするとコロッと考えが変わって、すぐに手に取ってしまった。
最近はエッセイで他人の脳内を観察することが好きだ。
このエッセイも例外ではない。
あのころ、愛してやまなかった一人の女性の脳内を見てみたかったのだ。
長濱ねるは、勘違いされやすい。
それは、欅坂46として活動していたときからそうだった。
私は、単に見た目に惹かれたところもあったが、
活動当初のブログの切実さにも惹かれていた。
何か自分と近しいものを、密かに感じていたのである。
エッセイを読んだ感想として、
へたっぴだな。と思った。
それがまたかわいい。
読者と筆者の真ん中にいる感じ。
ぜひとも、多くの方に読んでいただきたい。
人に優しく、自分にやや厳しく、それでいて気ままに、
たまに常識を疑ったりして。
まんま等身大の長濱ねるを感じた。
共感することもあるし、知らない世界をしることもある。
読んでいる最中は、終始友達のライブ配信を潜りながら聞いている気分だった。
(潜りながら=コメントやコラボをせずにただ見ているだけの状態)
今後彼女が何を見て何を感じ、どんな人になっていくのか
また一つ楽しみが増えた。
またいつか、今度は40歳くらいにエッセイを出してほしい。
そのとき私とどれくらい価値観の差があるのか、とてもきになる。
一番気に入った章は「help」だ。
最も彼女らしく、最も私たちに近い。
不器用で、かわいくて、必死な姿が目に浮かぶ。
今後も、横目に彼女の活躍を見守っていきたい。
最後に、このエッセイは彼女と同じ20代の働く女性におすすめです。
温かい飲み物を片手に、ゆっくりと読んでみてください。