みなさん、
おはようございます。
【朝の道標】を見に来ていただき、
ありがとうございます。
今日も夏休み特別企画、
「学校教育の闇」をお届けします。
今回からは、
【私立学校の熾烈な生存競争】をテーマに、
今、私学の経営にどんな変化が起きているのかを、
お話していきます。
大きく分けて、
(1)少子化により受験生奪い合いの影響
(2)流行りに便乗して失われる理念
(3)本当に生き残る私学とは
この3つに絞ってお話を進めていきます。
さて、
「少子化による受験生の奪い合いの影響」についてです。
当然ながら私立学校は、
民間経営を主体にしていますから、
受験生を集めることで資金を増やし、
安定した運営をすることができます。
ところが、
1975年頃から出生率が減少し、
1990年頃になると全体の受験生の数が減り、
私学では定員割れが頻繁に起きるようになりました。
(資料のリンク先を添付しておきます)
https://www.mext.go.jp/content/20210323-sigakugy-main5_a3_00003-009.pdf
この影響で、
有名で人気のある学校を除き、
私立学校同士で受験生を奪い合う、
顧客優先の教育が行われるようになったのです。
こうなると、
教員側が考える教育方針よりも、
顧客である保護者の要望を優先するようになるので、
当然、学校内部で不満が起き始めます。
特に拝金主義の色が濃い学校では、
受験生を多く集められる宣伝効果が高い教員を好み、
地道に教育活動をする目立たない教員は軽んじられるという、
二極化が進みます。
その結果、
有名な教員を招き入れる一方、
不満に思う教員がどんどん退職するという入れ替え現象が起き、
人材の流出が始まっているのです。
そして、
本来私立学校には転勤がないので、
教員が経験を積み重ねることできるという利点があり、
公立学校にない安定した高い教育の質がありましたが、
今、その利点は瓦解しつつあるようです。
ではその流出した教員は、
今、どうしているのでしょう?
そこには2つの道があるようです。
1つ目は、
新たな教育現場で復帰して独自の道を選ぶ教員です。
この道を選んだ教員は、
自分で学習塾やオンライン家庭教師などをはじめ、
新たな新天地で活躍しています。
2つ目は、
自分の方針を捨てきれず教育現場をあきらめる教員です。
この道を選んだ教員は、
残念ながら生き生きとした生活ができず、
苦しい生活をしているようです。
本来組織の経営とは、
価値のないモノから高い価値に変える活動だと思います。
レストランでは食材を料理に変え、
家具屋さんでは木材をテーブルやイスに変え、
教育現場では子供を社会で役立つ人財に育てます。
そして、
そのどの職場でも職員は職業訓練を積むことで、
職人としての価値をどんどん高めていき、
結果的に組織の価値を高めることができるのです。
今の私立学校の経営では、
職員の価値が積み重ならないため、
組織の価値は下がりつつあるように思います。
もし社会の変化に応じて、
どうしても学校組織の体制を変えたいのなら、
現場で働く教員を入れ替えるのではなく、
新たな価値観を積み重ねる工夫をするべきです。
それでもどうしても入れ替えが必要ならば、
管理職だけ変えればいいのです。
そうすれば、
教員は新たな管理職から新しい価値観を学び、
価値観の積み重ねを作ることができるのです。
今後、この生存競争の中で、
生き残っていくことができる私立学校には、
この「積み重ね」を大切にすることが必要です。
そして近い将来、
その差は大きく開き、
はっきりとした結果になって見えるでしょう。
ぼくの中には、
「ああ、この学校はよくなるな。」という、
学校がいくつか見えていますが、
それは次回以降お話ししますね。
さあ、今日も新しい一日のスタートです。
元気に、行ってらっしゃい!