みなさん、
おはようございます。
【朝の道標】を見に来ていただき、
ありがとうございます。
今日も夏休み特別企画、
「学校教育の闇」をお届けします。
今回からは【公立学校では育ちにくい管理職】をテーマに、
校長や教頭などの管理職の実情について、
迫ってみたいと思います。
大きく分けて、
(1)年功序列で配置される管理職
(2)終身雇用が導く事なきをよかれ主義
(3)今後の管理職選定の在り方
の3つに分けてお話をします。
それでは、
今日の話題「年功序列で配置される管理職」についてです。
そもそも管理職とはどうやって選ばれるのでしょうか?
公立学校では一応、
管理職選考試験というものがあり、
そこで適性があるか見極められます。
ところが、
その管理職選考試験には、
教諭経験10年以上などの参加条件があり、
ある程度の教員経験がないと参加できないのです。
(以下に資料のリンク先を添付しておきます。)
https://www.mext.go.jp/content/20211220-mxt_syoto01-000019568_00408.pdf
ここで2つの疑問が生まれます。
・管理職は教員経験者からでないといけないのか。
・管理職の能力は経験年数を基準にしていいのか。
という点です。
そもそもぼくは、
管理職とは教員とは全く違う職業だと思っています。
それは自衛隊の時も感じましたし、
海外で働いている時も感じました。
少し持論を展開させていただくと、
組織には3つの役割が必要だと思っています。
1つ目は「技術職」で、
より良い製品を生み出すため独自の技術を磨き、
製品の価値を高める役割です。
2つ目は「営業職」で、
「技術職」が生み出した製品の価値を広く伝え、
製品と社会をつなぐ役割です。
3つ目は「管理職」で、
「技術職」と「営業職」とのバランスをとり、
円滑に経営できる仕組み作りをする役割です。
ところが日本の社会では、
この管理職という役割について、
特化した考えがありません。
ですので、
歴史的に管理職の役割を担うのは、
熟練した「技術職」か「営業職」という場合が多いのです。
では学校現場に置き換えてみると、
教員はよりよい人材を育てる「技術職」といえます。
そして「管理職」は、
熟練した「技術職」から選ばれているのです。
そうすると、
学校現場には「技術職」しかおらず、
「営業職」と「管理職」がいないという、
偏った組織になっていることが分かりますよね。
これでは管理職として経験を積みにくい。
広く一般社会を知らず、
教育のことばかり深堀してきた管理職では、
多様化する現代社会に柔軟な対応は難しいでしょう。
そればかりか、
古い自分の価値観を新しい教員に教えようとするので、
新しい技術の開発を止めてしまうことにもなります。
この悪しき習慣から抜け出し、
よりよい教育を導くには、
管理職という役割を教員から分離し、
年齢に関係なく登用する別軸の仕組みが必要です。
そこで提案したいのは、
管理職の中に新たな役職「幕僚」を設けることです。
これは校長である指揮官に、
情報を伝え対策を提案する役割です。
現在の公立学校の仕組みでは、
社会を広く経験した管理職が少なく、
大きな器が期待できないのであれば、
社会の見識が広い役職を設定し、
それを補完できるようにすればいいのです。
この役職の選定は、
教員採用試験のように定期的に採用するのではなく、
専門的な機関から派遣される、
いわゆる「コンサルタント」のような方が柔軟でいいと思います。
外部からの派遣という立場であれば、
先輩後輩のような縦社会に巻き込まれることもなく、
20代でも能力があれば活躍できるでしょう。
そして、
この方法が機能し定着したならば、
管理職の器とは経験年数ではないことが分かり、
その正しい基準を作るきっかけになるはずです。
最後に、
特色ある管理職の採用を行い、
改革に取り組んでいる地方についてご紹介します。
それは広島県です。
広島県の教育長は革新的な方で、
管理職選考試験の条件、教員経験年数を撤廃し、
民間経験者の登用も積極的に行っています。
ただ急な変革は、
ベテランの教員たちには受け入れられず、
円滑には進んでいないようです。
急いで変革を進めるために、
過去を否定すると、
どうしても衝突が起こりますよね。
とはいえ、
全国に先駆けて改革に取り組んでいるので、
今後の展開と成果に注目したいところです。
さあ、今日も新しい一日のスタートです。
元気に、行ってらっしゃい!