みなさん、
おはようございます。
【朝の道標】を見に来ていただき、
ありがとうございます。
今日から10日間ほど、
夏休み特別企画として、
「学校教育の闇」をお届けします。
今回はその第1弾、
【教員不足のスパイラル】です。
【教員不足のスパイラル】では、
(1)どうして教員不足がおこっているのか
(2)教員の質は本当に下がっているのか
(3)教員不足のスパイラルに打開策はあるのか
の3つに分けてお話をします。
それでは、
まず今日のテーマ、
「どうして教員不足が起こっているのか」です。
そもそも「教員不足」という言葉は、
よく耳にすると思いますが、
一体いつごろから始まったのでしょうか。
教員採用試験の倍率を見てみると、
最も倍率が高かったのが2001年頃で、
全ての校種の倍率の平均が13.3倍でした。
(実際僕が受けた中学校の国語は32倍でした。)
(資料のリンク先を添付しておきます。)
https://www.mext.go.jp/content/20220128-mxt_kyoikujinzai01-000020139-1.pdf
それが2020年では、
3.9倍にまで下がっており、
この20年間下がり続けているのです。
ではこの3.9倍は過去最低かというと、
違うんです。
実は1991年のおよそ30年前に、
3.7倍という倍率の時がありました。
でも30年前と今では、
全く状況が違います。
30年前の教員不足の原因は、
日本の景気が良く、
公務員よりも民間企業の方が給料が高かったため、
給料の安い教職を希望する者が少なかったからなんです。
その一方現在の教員不足は、
不景気で公務員の志望者が多いにもかかわらず、
「ブラック企業」という風評が強いため、
教員の志望者が減っているのです。
つまり、
現在の教員不足の原因は、
経済的要因ではなく「ブラック企業」という、
働き方の観点が大きな要因なのです。
ではその「ブラック企業」とは何か?
調べてみると、
厚生労働省による明確な基準はないようです。
なので、
一般的に用いられる場面を参考にあえて定義すると、
①残業時間が多い
②給料が不当に安い
③上下関係が厳しい
の3点があげられるようです。
でもね、
この定義を見て何か違和感を感じませんか?
高校野球の選手たち、ブラックじゃん。
レストランの見習いさん、ブラックじゃん。
大学の研究者、これまたブラックじゃん。
どんな仕事でも一流を目指して、
最前線で頑張っている人たちって、
みんな同じような条件にいると思いませんか?
それもみんなブラック企業なんでしょうか?
今は苦しくとも、
その先にある未来に向かって走っている時、
必ずブラックな闇があるんです。
でもそんなトンネルのような闇を抜けてこそ、
光り輝く未来を切り開くことができるんです。
ぼくはこの「ブラック企業」という観点は、
近現代における西洋文化「個人主義」が横行し、
楽して金を儲けたいという、
人格が欠落した結果だと思います。
それは、
他者を助ける喜び「利他」を忘れさせ、
日本人としての「徳」を失わせています。
ちょっと飛躍した言い方になるかもしれませんが、
教員不足の原因「ブラック企業」という観点は、
自分さえよければいいという西洋の個人主義者によって、
引き起こされているとも言えるのです。
だから今、
教育の現場にある人たちには、
教育は子供達のために尽くすという、
「徳」の高い仕事なんだと気づいてほしいんです。
子供が教員と出会うことで、
生きる道に目覚める瞬間、
それこそが教育に携わる者の醍醐味なのです。
ぜひブラック企業という闇に負けず、
この暗い通過点を乗り越えて行ってください。
そしてその先には、
子供達の光輝く笑顔を見る未来が待っています。
ちなみに、
30年前の景気が良い時に民間企業に行かず、
教員になったという闇歴史を持つ先生たちが、
今、校長や教頭の管理職になっていることも、
学校を「ブラック企業」たらしめる原因の1つです。
この点は、
また別のテーマの時にお話しします。
ということで、
今回は【教員不足のスパイラル】をテーマに、
「どうして教員不足が起こっているのか」を、
お話しました。
早く学校教育の現場から、
「ブラック企業」というレッテルを取りたいですね。
次回は、
同じ【教員不足のスパイラル】をテーマに、
「教員の質は本当に下がっているのか」を、
お届けします。
どうぞご期待ください。
さあ、今日も新しい一日のスタートです。
元気に、行ってらっしゃい!