ブロロロロロブォン、ブォン、ブォーーン

地響きのような、身体の奥まで響く音が

ホテルの周りを取り巻く


「あっ!」と思うのと同時に

もう足は屋根下駐車場に向けて動き出していた


私の方が先だった

ちょっと曇った湿気の多い空気に混じって

その音は確実にこちらに向かって来る



先頭を走るバイクが薄日に反射して光っていた

「キターーー!」

初めてお越しいただくお客様をお迎えするときのそれとは

ちょっと違っていたけれど

緊張を隠すためか自然と右手が

先頭バイクを駐車場に誘導していた


1台、2台、3台、4台・・・・・・・・・・11台目が

到着する頃には屋根下の駐車スペースがかなりうまった



一見厳つく見えるが

ハーレーには何とも言えない

滑らかさが素人の私の目に写った

カスタマイズされた愛車に颯爽とまたがったスパイダーが

ヘルメット、マフラー、サングラスと順にはずしていくと

可愛らしいオシャレな女性になった



短大卒業以来の再会である



$ホテル明治屋 ミキティのおしゃべり