長男が 予期せぬ事に巻き込まれてしまい

大学を辞めるかどうするか

本当に悩んでいた。


いわゆるパワハラから

訳のわからない冤罪事件に巻き込まれた。


暴力をふるっていないのに

暴力により怪我をしたと

嘘の被害届を出されたが


不起訴をもらうまで

通常の学生生活は崩れてしまった。



精神的に追い詰められ

殺しても死なないと思われたほどの

タフな男が

寮からの外出禁止などの厳しい環境に

疲弊してしまい 

鬱病と診断され別人になっていった。



冤罪は

本当に苦しいものだと実感した。



告訴されたら

事実と違うとわかっても

すぐに不起訴がもらえるわけではない。


軽微な事件であればあるほど

重大事件が優先となり

扱ってもらうのが後回しになって

不起訴と確定されるまで

とても時間がかかる上に


相手の話が虚偽内容であればあるほど

こちらの証言と

くい違うため

疑われて何度も調査される

まるで加害者の扱いを受けてしまうことになる。




被害届は

本当に被害を受けた人だけが出すものだと思っていた。

嘘は許されないと思っていた。



相手を困らせてやろう

懲らしめてやろう

少し誇張してやれ

そんな軽い気持ちから

被害届を出した相手には

何の処罰もなかったし

被害届を出した時点で

被害者として認められてるような扱いだった。


信用と人格を落とし 友人をなくしただろうが

普通に生活できていた。


こちらは起訴されてもいないのに

加害者と認定されたかのよう。

不起訴が出るまでは と制限をされることが増える。



暴力をふるった後に記憶をなくすことはあるのだろうか?

自分は無意識に暴力をふるう脳の病気なのか?

と真剣に悩み始めた息子に

衝撃が走った。


そんな病気などない!

暴力ふるってないって!


そう言ったら 

そうやんなあ 

なぐった記憶ないもん、頭がおかしくなったんかと思った、安心したと泣いた。

どれだけ 追い込まれてるのか


医師から

自殺を心配される。



これが冤罪の怖さだ。


夫が パワハラ教員に

本音を聞き出してやろうと


「身体も大きく 態度もでかい 関西弁の生意気な生徒が目障りで

事件扱いにして

こらしめたかったんでしょう?」と

冗談めかして聞くと

「そうです」

と笑いながら白状した。


録音していたので

訴えようと本気で思った。




そんな

苦しい1年間をなんとか乗り越え

やっと卒業できると思っていたら

卒業式目前で

留年と宣告された。



納得できない留年を受け入れ

もう一年 この環境で続けられるのか?

精神的に耐えられるのか



胸が締めつけられるような気持ちで

毎日 なんでこんな事になったんだろうと自分に問いかけては 泣いていた。



その時に テレビからどんどん飛び込む

衝撃的な映像に

愕然とした。


こんな 

この世のものとも思えない

未曾有の天災が起きるなんて


身体が震えた


関東の海っぺりにいた息子

色々被害はあったが

怪我なく無事だと言う。



一体 私は何を悩んでいるんだろう


息子は今 生きているではないか


命以外に何が必要?


酷い仕打ちをする人がいる

そんなところに居続ける必要はあるのか?


そんなに学位記が必要?


大卒でないといけないのか?


命さえあれば なんでもできる


幸せや喜びを感じる事ができる場所に

早く移動させねば!


目が覚めた。


その日に私の心は決まった。



親として 訴える事も 

戦う事もやめよう


そんな時間が惜しくなった


生きてたらいーのいーのが

私の子育て方針だったのに



前だけを向いて 

生きている事に感謝して

息子のこれからを応援しようと

心が定まった日


あまりにたくさんの命が 

何もかもが失われた日に

教えていただいた大事なこと


月日が経っても 

被災された方や

ご遺族の方たちの

心が完全に癒されることはないと思います。



せめて 私たちは

生きている事に 感謝して

当たり前の日常に感謝して

一日一日を大切にしようと

心から思います。