女子アスリートに多いケガのひとつが「疲労骨折」です。
走る、跳ぶ、反る、回転するなど、
繰り返しの動作によって
骨に小さなヒビが入り、
痛みが出るケガですが、
その背景には“身体の使い方”と
“女子特有の体の仕組み”が
深く関係しています。
疲労骨折の主な原因
☑︎まず大きな要因が エネルギー不足。
女子アスリートは体重やスタイルを気にして食事量を減らしたり、
競技特性に必要なカロリーを十分に取れていないことが多く、
その結果として月経不順や無月経が起こります。
月経不順や無月経が続くと
女性ホルモン(エストロゲン)が低下し
骨密度が急激に落ちるため、
骨はちょっとした負荷でも折れやすくなります。
エストロゲンは骨密度を維持するために
非常に重要な働きをします。
☑︎もう一つの原因が 誤ったトレーニングやフォームの癖です。
筋力バランスが崩れていたり、
過度なジャンプや着地衝撃に耐えられる筋力の土台が
作られないまま練習を続けると、
骨に悪い衝撃が加わったり、
特定の部位に負担が集中します。
思春期の時期は、骨格の成長が筋肉や腱の適応能力を
上回ることがあると言われており、
この不一致から疲労骨折につながる可能性があります。
競技においては特に新体操、陸上、バスケなどは
リスクが高く、ケアが不可欠です。
疲労骨折を防ぐために気をつけたいこと
① エネルギーと栄養を“十分に”とる
タンパク質、カルシウム、ビタミンD、鉄は必須。無月経がある場合は、まず食事改善が最優先です。
② 月経周期を把握する
月経が止まっている・不規則になっているのは重要なサイン。ホルモン低下が続くと、骨は確実に弱くなります。
③ 正しいフォーム・適切なトレーニング
間違ったスクワットや体幹トレーニングは、逆に骨や関節に負担をかけます。骨格を整え、使うべき筋肉を使うことが予防の基本です。
④良い衝撃を与える
歩く走ることでも良い衝撃と悪い衝撃があります。良い衝撃は一箇所に負担がかかることなく、全身を使って衝撃を吸収することができ、適度に骨を刺激し、骨を強くするのに役立ちます。身体の使い方を変えていくことで、可能になります。
栄養とトレーニングにより回復した例
足の中足骨に疲労骨折の症状が現れた新体操選手に
エネルギー不足を防ぐために
炭水化物を練習前後に捕食で摂ることや
納豆・ヨーグルト・小魚など必要なミネラルを
補うための工夫をしてもらいました。
トレーニングも
ジャンプの踏み込みや
着地の衝撃に耐えることや
骨に刺激を入れること、
重心の位置を的確に捉えるために
片足でバランス感覚を養ったり
高負荷を耐えられる負荷設定にしていくなど、
痛みを出さないで負荷をかけていきました。
これらを取り入れてから
練習も工夫してやりながらで
1ヶ月ほどで痛みが出ない状態まで
回復していきました。
この変化は私にとっても
とても大きな前進となりました。
練習量や体質的なことに限らず
日々の生活習慣にけがにつながるリスクが隠れていて
改善できる余地のあるけがであるということです。
疲労骨折は発症すると何ヶ月と引きずるけがです。
誤魔化してできてしまうけがでもありますが
パフォーマンスはそれでは上がっていきません。
女子アスリートの疲労骨折には
“身体の使い方”と”女子特有の体の仕組み”が
深く関係しているということを
理解して対策をしてくださいね。