みなさま、こんばんわ🌜

今日の神戸はくもり⛅でした🙂

日臨心 第59回学術大会 2日目 午後

 
 

日本臨床心理学会 第59回神戸大会2日目。

 

午後は目玉プログラムがあったため、参加者は全員、5階の大きな会議室に集結しました😃

ケアあるいはサポート ― アマチュアリズムと専門性

 
 

午後のプログラムは「ケアあるいはサポート ― アマチュアリズムと専門性」で、社会教育学者の 桜井智恵子先生 と文化人類学者の 松嶋健先生 のご講演&クロストークでした😃

桜井智恵子先生は私の先輩だった❗

 

桜井智恵子先生は、大阪女子大学(2005年大阪公立大学と統合)をご卒業された後、博士課程前期と後期は 大阪市立大学(2022年大阪公立大学と統合)で学ばれました。

 

なんと私(大阪市立大学卒業)の先輩でした😄

会場の様子

 
 

会場はこんな感じでした。

 

会場からは30人ほど。

 

オンラインからは同じぐらいの人数が参加されていました。

ケア/サポートの政治(ポリティクス)

 
 

まず、桜井智恵子先生の講演がありました。

 

講演のタイトルは「ケア/サポートの政治(ポリティクス)」でした。

 
桜井智恵子氏

桜井氏

ケアやサポートは政治に翻弄されています。

 
桜井智恵子氏

桜井氏

今教育は、どれぐらい能力を上げていくかが問われています。

最も無駄のないように、最適化されていっています。

 
桜井智恵子氏

桜井氏

障害・不登校などの事業は、企業のドル箱になっています。

支援の仕組みを「構築して支援」の方向に進んでいます。

まるで貧困産業の様相を呈しています。

 
桜井智恵子氏

桜井氏

自治体は少しお金を出して、ケアワーカーに丸投げしています。

「相談」は「相談支援」システムへ移行し、相談支援では相談を受け止めますが、それ以降の支援体制はありません。

役所も人員削減が続いており、ケアのために人員を割けなくなっています。

 
桜井智恵子氏

桜井氏

近代主義は1人で頑張れる強い個人を理想としており、経済的に効率良く人を育て、合わない人をはじき出していっています。

2000年代以降、特別支援学校が急増しましたが、社会からの排除と考えます。

 

桜井智恵子先生のお話は、タイムリーはお話でした。

群島と海:「ゾーエーソシャリティ」をめぐって

 
 

次に、松嶋健先生の講演がありました。

 

松嶋先生の講演タイトルは「ケアあるいはサポート:アマチュアリズムと専門性から 群島と海:「ゾーエーソシャリティ」をめぐって」でした。

 
松嶋健氏

松嶋氏

私は自由にやるために学者のふりをしています(笑)

元々はカトリックの聖者崇拝の研究のためにイタリアへ行ったんですが、大学の校舎が昔精神病院だったことで、精神病院に興味を持つようになりました。

 
松嶋健氏

松嶋氏

『プシコ ナウティカ』の「プシコ」は「プシケー」で魂。

「ナウティカ」は航海。

つまり、「プシコ ナウティカ」とは、精密な航海術なしで海を渡っていくという、地中海的なものの見方を表しています。

 
松嶋健氏

松嶋氏

イタリアの哲学者のマッシモ・カッチャーリは、ヨーロッパの群島は2つの危険性の中に存在していると語っています。

  1. ヒエラルキーの秩序の空間のなかに溶解してしまうこと
  2. 他者のための余地のない個人性に溶解してしまうこと

私は私であり、アイデンティティをもつ存在ですが、自分の中の自分ではないものに触れることが大切です。

 
松嶋健氏

松嶋氏

例えば「凧揚げ」を例にとると、私が主体で凧を客体とした場合、私が凧を揚げているように見えるじゃないですか。

でも実は、凧は空気が動くことで動いているんです。

糸をクックックと引っ張ると、まるで私がコントロールしているように見える。

でも実は、凧は見えない空気によって動かされているんです。

凧の周りには実は、海のうねりや波のような空気があるんですが、それらは不可視、目に見えないんです。

この不可視をどれだけ感じながら生きているかが重要なんです。

 

松嶋先生のお話は面白くて、みんなが夢中になって聞いていました。

ゾーエーの社会性(zoesociality)

 

 

「ゾーエーの社会性」の社会性のお話がめちゃくちゃ面白かったです😆

 
松嶋健氏

松嶋氏

近代ヨーロッパは、人間しか心や意志をもたないとしてきました。

世界自体が生きているという発想は「アミニズム」として捉えられています。

しかし、私たちは生きている世界自体に参入しつつ、生きているんです。

 
松嶋健氏

松嶋氏

「生きている」ものたちのための場所を創り出すことで、「生きている」ということに基づく社会性を ゾーエーの社会性(zoesociality)と言います。

 
松嶋健氏

松嶋氏

供犠(くぎ)とは、動物を殺して生贄としてささげることなんですが。

動物という個々のレベルの存在を殺すと、ゾーエーが噴き出して、一瞬「いのち」が可視化されるんです。

それが生贄の意味なんです。

 
松嶋健氏

松嶋氏

イタリアでは子どもが生まれてくると、家族のご先祖様と同じ名前を付けます。

それは、BIOSを殺すと、いったんZOEに行って、また同じ名前で生まれ変わってくると考えられているからです。

 
松嶋健氏

松嶋氏

生きている人間は仮の存在でしかないので、モース語族のエトルリア語で仮面という意味の「ペルソナ」と呼ばれるようになりました。

ペルソナは英語でいう「パーソン(person)」の語源となっています。

 
松嶋健氏

松嶋氏

日曜日は安息日で、働いてはいけない日とされています。

これはウィークデイはBIOSとして社会で働き、安息日にいのりや瞑想によってZOEに戻るんです。

バカンスはvacantの意味で、空っぽであることを表しますが、これは自分を空っぽにすることでZOEに戻るための期間なんです。

余談ですが、お祈りとは、自分よりも大きなものに触れる行為のことを言います。

 
松嶋健氏

松嶋氏

BIOSだけ見てケアをしようとすると、都合よく使われてしまいます。

しかし、ZOEを考えるとケアが全くの真逆に見えてきます。

 
松嶋健氏

松嶋氏

ゾーエーソーシャリティを基盤とした「基盤的コミュニズム」に基づき、能力に応じて働き、必要に応じてとる という考え方が重要になってきます。

 

ケアやサポートは、現行の社会システムの中で考えると、あまりにも都合が良いように見えます。

 

しかし、BIOSやZOEなどを通して考えると、社会の新たなつながりが見えて、ケアやサポートに対する考え方が変わるような気がします。

講演を聞いて

 

桜井智恵子先生と松嶋健先生のお2人のお話はすごく面白くて刺激的でした😄

 

学術大会って、貴重なお話を聞けるまたとない機会ですね😉

 

神戸まで行って、対面参加した甲斐がありました😄

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました😄

また来てね~😄👋