みなさま、こんばんわ🌜

 
1 北海道の社会福祉法人の障害者不妊処置

先日、北海道の社会福祉法人で、知的障害者のグループホーム入居者に対して、長年不妊手術を強制していたことが発覚して、問題になりましたね…。

 
📰 NEWSPAPER ARTICLES

障害者の結婚、不妊処置が条件 北海道・江差の福祉施設

 

2022年12月18日(日)報道

 

 北海道江差町の社会福祉法人「あすなろ福祉会」(樋口英俊理事長)が運営するグループホームで、知的障害があるカップルらが結婚や同棲を希望する場合、男性はパイプカット手術、女性は避妊リングを装着する不妊処置を20年以上前から条件化し、8組16人が応じていたことが18日、分かった。「同意を得た」としているが、障害者が拒否した場合は就労支援を打ち切り、退所を求めていた。

 

 樋口理事長は「養育不全になった時に誰が責任を取るのか。生まれてくる命の保証はしかねる」と主張した。厚生労働省は「障害の有無を問わず人としての尊厳は守られるべきで、事実なら不適切だ」としている。

 

参考共同通信

 

2 あすなろ福祉会

あすなろ福祉会は、北海道の江差町にある知的障害者の援護施設です。

 

あすなろ福祉会は12月19日(月)に記者会見を開き、報道陣の取材に応じました。

 

樋口英俊理事長は不妊処置について「強制は一切していない」と答えました。

 

でも、グループホームに入居している知的障害者にとっては、不妊処置に応じないと一切の支援が打ち切られるので、行き場のない知的障害者にとっては実質的には不妊処置は強制と同様です。

3 北海道の監査

あすなろ福祉会の記者会見が行われた12月19日(月)に、北海道が監査を実施しました。

 

北海道の対応はすごく迅速でした。

4 北海道の鈴木直道知事

北海道の鈴木直道知事は、12月20日(火)に「あすなろ福祉会以外にも障害者に不妊処置をしている福祉施設がないか、北海道全域を調査する」と方針を明らかにしました。

 

日本障害者協議会は「障害のある人が子供を生み育てる権利を認め、地域での生活を支える仕組みを早急に検討するべきである」と指摘しました。

 

我が国はたとえ障害があっても、誰もが子供を生み育てることができる、真に平等な社会を目指しはじめました。

5 この件で何が問題なのか❓
 

私は実は、このニュースを見たとき、何が問題なのかわかりませんでした。

しかし、よく考えてみると、障害者にとって非常に恐ろしい事態になっているのがわかりました。

「あすなろ福祉会 知的障害者不妊処置」の問題点について、1つ1つ考えてみます。

🍀 不妊処置は実質的にほぼ強制

まず、1つ目の問題点として、不妊処置はほぼ強制であったことがあげられます。

不妊処置をすることに同意しなければ、就労継続支援を含む、一切の支援が打ち切られるとあれば、同意するしかなかったはずです。

🍀 家族からも疎ましがられる知的障害者

「知的障害者の家族は、知的障害当事者の味方なのか❓」と問われれば、残念ながら必ずしも「YES」とは言えません。

知的障害があると手がかかるため、悲しいことに家族からも疎ましがられることが多いです。

障害者界隈では重度知的障害がある場合、親御さんは特別支援学校を卒業した後、障害のあるお子さんがグループホームに入居することを心から待ち望んでいる…といった話をよく聞きます。

しかも、成人の知的障害者のグループホームは圧倒的に不足しており、入居を希望しても入れるかどうかわからないため、入居できたらとてもラッキーなのです。

不妊処置をすればグループホームに入居が継続できるなら、親御さんの多くは同意されたと思われます。

🍀 恋多き知的障害者

実は知的障害者は恋多き人生を歩まれていることがよくあります。

といっても、障害の特性上、知的障害者の恋愛は長続きすることが少ないです。

恋愛をすると当然の帰結として、妊娠することもあります。

🍀 知的障害者が子どもを持つこと

ところが、知的障害者は能力が制限されているため、子育てをすることが非常に難しいという問題があります。

グループホームに入居している知的障害者が子どもを出産した場合、実家の家族に引き取ってもらえるケースは非常に少ないと思います。

🍀 知的障害の遺伝の問題

しかも、両親のうちどちらもが知的障害者であった場合、生まれてくる子どものIQは親御さんよりも更に低くなることがよくあります。

私には知的障害者の友人が多く、事情をよく理解させていただいておりますが、両親ともが知的障害者だった場合、生まれてきたお子さんが健常者だったケースを私は知りません。

🍀 知的障害当事者も知的障害者であることを嫌がっている

知的障害当事者の友人に話を聞いてみると「知的障害者として生まれてきて良かった。知的障害があることに誇りを持っている。」と言っている方を見たことがありません。

私の知的障害者の友人の多くは「知的障害者になんかなりたくなかった。」と言っています。

🍀 恐ろしい優生思想

ここまで考えると、恋愛や同棲・結婚を希望する知的障害者に対して、不妊処置をすることはもう何も問題がないばかりか、むしろ社会の要請とさえ思えます。

ネット上でも「自分で子どもを育てられないなら、不妊処置は当然だ」という声もチラホラと上がっていました。

しかし、どう考えても知的障害者に不妊処置をすることは適切なこととは思えません。

なぜなら、知的障害を理由として不妊処置を行うことは「知的障害者は社会から必要とされない"いらない人間"だ。知的障害者には生きる権利も生まれてくる権利もない。知的障害者は死ねばいい。」と言っているのとほぼ同じことだからです。

優生思想は本当に恐ろしい ですね😱😱😱

 

たとえ障害があっても、生まれてくるお子さんがご両親よりも重い知的障害があるかもしれなくても、「誰が育てるのか」などの現実的な問題が山積みだとしても、現実を無視したキレイ事でしかなくても、それでも私は子どもを望む全ての人が障害のあるなしに関わらず、自由に子どもを生み育てられる社会の実現を心から希望します。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました😄

また来てね~😄👋