みなさま、こんばんわ🌜
1 | 本日は心理系学会の分科会 |
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本日は午前10時から 心理系学会の読書会 に参加しました😃
2 | 主語的公共空間から述語的つながりの場へ |
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本日のテーマとなる論文はこちら。
松嶋健(2020)「主語的公共空間から述語的つながりの場へ トラウマとケアをめぐる人類学から」『治療は文化である―治癒と臨床の民族誌 (臨床心理学 増刊第12号) 』金剛出版
『治療は文化である―治癒と臨床の民族誌 (臨床心理学 増刊第12号) 』に収められている論文です👉
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マプーチェ医療(南米チリ) |
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この論文は、南米チリの原住民に伝わる民間医療であるマプーチェ医療 を題材に「語らないトラウマケア」について書かれた論文です。
マプーチェ医療とは、問診がない治療です。
マプーチェ医療では、病気を治すこととは自分の人生の進め方を知り、それに向かって前進していくことを指します。
具体的な治療方法として、患者さんは早朝尿を容器に入れて持参して治療者に見せます。
その他に、生年月日と手術歴を治療者に知らせます。
治療者は脈を取り、手掌を見ていきなり診断をします😲
エビデンスはありません😲
現代の近代医療とはまるっきり違い、こんなんで果たして治療できるのか不安ではありますが・・・。
チリでは大人気だそうです😃
その人気ぶりから、マプーチェ医療は実用的に強い治療法だと推測できます。
人生に迷っている時は自分の立ち位置が見えなくなるものです。
一方的に治療してもらったほうがうまくいく場合もありますよね😉
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心に毒を隠し持つメタファー(インド・パキスタン) |
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インド・パキスタンでは、トラウマなどの心の傷を「毒にたとえるメタファー」があります。
ある女性がレイプや略奪など心がねじ切れそうなほど辛い経験をした場合、「語る」ことで心の傷を癒せることもあります。
しかし、その経験を誰かに言ってしまうと、差別・偏見の対象となり二次的なトラウマになる場合もあります。
辛い経験をしたとしても、それを誰かに言ってしまうことはとても危険なことです。
相談する相手を選ばないと、更なる面倒事に巻き込まれかねません。
誠に残念なことではありますが、世の中の全ての人が純真無垢で善良な人ばかりではないのです。
そこで、受けた心の傷を毒にたとえ、身体に毒を隠し持ちながら、沈黙することで自分と自分の人生を守るというメタファーがあるのです。
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私の「沈黙」の経験 |
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私も「沈黙」には身に覚えがあります。
私は准看護学校を卒業してから、正看護師を目指して病院で働きながら看護大学に進学しました。
ところが、看護大学では教授陣からひどいアカハラを受けました。
私は地味で目立たない学生で、いるかどうかさえわからないほぼ空気のような人間でした(それは今もですが)。
私がアカハラを受けた原因は、おそらく私が初めて看護大学に入学したたった1人の 准看護師 だったからでしょう。
知識がそれほどないわりに、手技だけは上手だった准看護師の私が、教授陣には目障りだったのです。
私は教授陣からアカハラを受けていることを誰にも言いませんでした。
態度も一切変えませんでした。
日常的にひどいアカハラを受けていたので、その現場を見てしまった学生もいて、彼女からはこう言われました。
「実希さんはきっと卒業できない。途中で来れなくされてしまうから。」と。
友達には恵まれていたので、私がアカハラについて泣き言や愚痴を言いたければ聞いてくれる人はいたでしょう。
しかし、それでは アカハラを受けていることを私が自分から認めてしまうことになります。
プライドがあって、アカハラを受けていることを認めたくなかったわけではありません。
生活のために、自ら進んで看護助手や准看護師になるような人(私)にプライドなどありません😅
看護師の養成校では、見込がないと判断されると、直ちに強制退学になってしまうことがあります。
当時、私の母校の准看護学校の 卒業率は50%程度 。
半分の学生がついてこれずに辞めていきました。
母校に限らず、他の学校でも卒業率は同じような状況でした。
辞めていくたくさんの学生を見送ってきた私は、看護大学もいつ何時退学になるかわからない と考えていました。
看護師の養成校は看護学生にとって、地雷の上を歩いているような際どく危険な場所だったのです。
私は「話すこと」で共感してもらうことよりも、「沈黙」することでアカハラから自分と自分の未来を守ることを選んだ のです。
最終的には医療事故も起こしていないのに、私の看護師免許が停止処分を受けて、看護業務から離れざるを得なくなるのですが・・・。
母校の看護大学は今年の3月に他大学と統合されてなくなってしまいました。
看護大学で頑張り通して卒業したことが良かったのかどうかは、今となってはもうわかりません😅
3 | 笠 陽一郎(りゅう よういちろう)先生 |
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今日の分科会で 笠 陽一郎(りゅう よういちろう)先生のことを教えていただきました。
笠 陽一郎先生は、多発する誤診の告発や、「発達障害の2次障害」などの考え方を広めた精神科セカンドオピニオン活動でとても著明な先生です。
笠 陽一郎先生のブログ👇👇👇
笠 陽一郎先生は、四国の愛媛県松山市生まれで、御年74歳。
神戸大学の医学部をご卒業後、兵庫県や愛媛県の病院で精神科医としてキャリアを積まれました。
現在松山市の しいのき心療内科 でご勤務されておられます。
笠 陽一郎先生のおっとろしい人生については以下のリンクをご覧ください👇👇👇
※ おっとろしい=伊予(愛媛)弁でスゴイの意
笠 陽一郎先生は精神科の医師の先生でもありますが、実は膠原病の医療過誤の被害者でもあります。
ある日膠原病の診断を受け、治療を受けるのですがめちゃくちゃな治療だったのでやむを得ず転院します。
しかし、転院先でもまた、とても治療とは言えないほどの手ひどい治療を受け続けました。
こうして笠 陽一郎先生は、医師でありながら自らが 医療のトラウマ を抱えるに至ったのです。
4 | 精神科セカンドオピニオン |
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医原病と薬原病 |
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医療を受けたことで発症する病を「医原病」、薬を服用したことで発症する病を「薬原病」と言います。
本来、患者さんを癒すはずの医療や薬剤が更なる病を発生させることがあるのです。
医療を受けや薬剤を用いることによって、却ってひどい目にあってしまった場合、患者さんは 医療のトラウマ を抱えるに至ります。
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かつて精神医療で横行していた人権侵害 |
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かつて、笠 陽一郎先生の領域である精神科でも、主治医を騙る何者かから「飲まなければ大変なことになる」などと事実無根の脅迫を受け、治療と称して不必要な抗精神病薬を多量に強制服用させられる患者さんが絶えませんでした・・・😨
このようにして言葉たくみに、半永久に抗精神病薬を服用させることで患者さんの思考力を奪い、挙句に人生まで滅ぼしてしまうような考えるだに恐ろしい人権侵害が横行していたのです😨
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我が国の「多剤併用大量処方」の歴史 |
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我が国で諸外国に例を見ないほどの多剤併用大量処方が指摘され始めたのが2000年。
稲垣先生の研究を受けて、我が国で多剤併用大量処方が問題視されはじめたのが2006年。
厚生労働省の「今後の精神保健医療福祉等のあり方に関する検討会」で、この問題が取り上げられ議論されたのが2009年。
全国規模の調査を行い、信じられないほどの多剤併用大量処方の実態が示されたのが2011年。
この調査結果を受けて、多剤併用大量処方に対する診療報酬の減額が始まったのがようやく2012年。
恐ろしいことですが、我が国の精神医療では 2012年まで多剤併用大量処方が横行 していたのです😨
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笠 陽一郎先生のガイドブック |
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笠 陽一郎先生は精神医療の惨状を知り、「このままでいいのだろうか・・・」と疑問に思われました。
悪しき精神医療の魔の手から患者さんを守るため、患者さんやご家族さんと協働し命のガイドブックを作ることを決意します❗
笠 陽一郎先生は2008年にガイドブックを出版されました。
そのガイドブックの名前は『精神科セカンドオピニオン―正しい診断と処方を求めて』と言います😃
現在は『精神科セカンドオピニオン2―発達障害への気づきが診断と治療を変える』まで出版されています。
こんなおっとろしい(※ スゴイ)先生がおられるなんて、全然知りませんでした😃
早速、図書館に笠 陽一郎先生の本の予約を入れさせていただきました😊
私は本当に何も知らなかったんだなぁと思いました。
知識をアップデートさせていただける心理系学会での活動は、本当にありがたいです😄
最後までお読みいただき、ありがとうございました😄
また来てね~😄👋