みなさま、こんばんわ🌜
やっと、斎藤 環先生の 『人間にとって健康とは何か』 を読み終えることができたので、記念に感想を残させていただきたいと思います😄
❶ ストレス対処能力という概念
1. 最近読んだ本
最近、斎藤 環先生の 『人間にとって健康とは何か』 という本を読みました。
斎藤 環先生は、精神科の医師の先生です👇👇👇
『人間にとって健康とは何か』 は、『ストレス対処能力(SOC)』 や 『レジリエンス』 などの難しい心理学の概念を、いろんな角度から考察し、わかりやすく解説されている本です。
これから『ストレス対処能力(SOC)』や『レジリエンス』などの ポジティブ心理学 を学ぼうとしている初学者には、オススメのイチオシ入門書です😉
というようなことが、以下のサイトに書かれていました👇👇👇
URL:https://www.earthship-c.com/motivation/what-is-resilience/
2. ストレス対処能力との出会い「心理演習」
主に先月に行われた通信制大学の「心理演習」で、たまたまストレスマネジメントをご専門にされている先生の演習を受けさせていただきました。
先生から心理演習中に 「第二次大戦中のアウシュビッツのホロコーストのように、著しく不利益な環境におかれても、精神的に健康を維持できる人々が30%いた」 というお話をお聞きしました。
心理演習が終わってから早速ググってみると、それが 『ストレス対処能力(SOC)』 や 『レジリエンス』 という概念であることがわかりました。
❷ ストレス対処能力に興味を持ったキッカケ
私が 『ストレス対処能力(SOC)』 や 『レジリエンス』 に興味を持ったキッカケは、ある出来事を通して 「著しく不利益な環境におかれても、うつになる人とならない人がいる」 ことを知り、すごく不思議に思えたからです。
1. 私が所属する某コミュニティの話
私はとある某コミュニティに所属しています。
そのコミュニティのメンバーは、私を含め全員IQが高値異常です。
IQの高さは能力の高さと密接な関係があり、一般的にはIQが高いと能力も高くなります。
🍀 高IQの人の特徴
高IQの特徴として、楽観的な人が多いです。
その理由は、IQが高いと人生の失敗も少なくなるからだと思います。
更に人よりも抜きんでているため、尊敬されたり、頼りにされたりすることはあれど、バカにされることはあまりありません。
2. 「うつ」とIQの関連
🍀 私が考える「うつ」の原因
「うつ」というのは、私は、ある困難を抱えている人が、苦しい立場におかれ、その人が対処しなければならない事態がその人の能力を超えてしまい、どう頑張っても克服できず、苦しい状況が一定期間続いたときに発症する可能性があるとみています。
というのも、私の周りの「うつ」の人が、「うつ」になった理由はちょうどこんな感じだからです。
🍀 知的障害者のうち30%は「うつ」もしくは「気分変調症」
私は自分が精神障害者なので、身体・知的・精神障害者の友達がたくさんいます。
知的障害者のうち30%は「うつ」もしくは「気分変調症」 というのは、知的障害者界では通説ですが、私の周りの知的障害者の友人を見ていると、だいたいその通りです。
知的障害者の友人の話を聞いていると、彼らは彼らなりに、人生に夢や希望があります。
しかし、残念ながら社会で活躍するための能力が低いため、だいたいにおいて本人の夢や希望は叶うことはあまりありません。
そして、知的障害があることを理由に、周囲の健常者にバカにされることも多々あります。
知的障害者は生まれつき、健常者よりも能力が劣り、どんなに頑張っても健常者に追いつくことはありません。
(知的障害者の友人の名誉を守るため、敢えて、知的障害者は知的にハンディキャップがあれど、その魂は健全であると申し上げさせていただきます)
どんな気持ちなのでしょう。
他人にはとても簡単にできるのに、自分はどんなに頑張ってもできないことがたくさんあり、自分の能力が劣っていることを日々思い知らされる人生を送るのは・・・。
誰もが社会的弱者に配慮をしてくれるような優しい社会であればいいのですが、現実はそういうわけでは決してないことは、私が指摘させていただくまでもないと思います。
そう考えると、知的障害者が「うつ」になりやすいのは、何もおかしいことではありません。
知的障害者の友人たちのことを思うと、社会的弱者に思いやりを持つことの大切さが本当によくわかります。
(こんなことを言っていますが、私は知的障害者の友人たちが本当に大好きです)
🍀 高IQの人でも「うつ」になる
「うつ」になるのは知的障害者だけなのかというと、実は高IQの人も「うつ」になっていることがあります。
高IQの人は、知的障害者とは違って、平均的な人よりも能力がずっと高く、社会では重宝される人材です。
それなのに、なぜ「うつ」になるのでしょうか❓
3. うつになる人 or ならない人
🍀 大変な人生を歩んだからと言って、誰もが「うつ」になるわけではない
私は自慢ではありませんが、これまでわりと大変な人生を歩んできました。
普通の人では乗り越えられないような困難の連続の人生でしたが、幸いIQが高かったため、看護で鍛えた忍耐力や心身の強靭性を遺憾なく発揮し、紙一重で何とかかんとか乗り切ってきました(笑)
私のIQが低かったら、とっくの昔にひきこもりになっていたと思います。
そんな私は、不思議なことに「うつ」になったことはありません。
「統合失調症」の診断は受けましたけれどもね(笑)
🍀 「うつ」になった高IQ女性との出会い
私は時々、高IQコミュニティで友達を増やすための活動を行っています。
高IQコミュニティで、「うつ」になったある高IQ女性 と出会いました。
- 性別:女性
- 年齢:私と同世代(30代後半~40歳ぐらい)
- 知能:高IQ(IQ130以上)
- 職業:会社員
- 人生:普通の人ならとても乗り越えられないぐらい大変な人生だったが、本人の努力と機転で紙一重で乗り切ってきた
- 精神状態:うつ(定型うつ病)、PTSD(過去の辛い体験によるタイムスリップ現象)
「うつ」になったある高IQ女性と私の共通点は、平均より高い知能(IQ)・性別・年代(アラフォー)・職業・これまでわりと過酷な人生だったところです。
異なる点は、「うつ」や「PTSD」を発症していない点です。
私は統合失調症の診断を受けましたけれどもね(笑)(のちに発達障害に診断名が変更された)
🍀 「奇跡」を起こす高IQの人間の実力
私の IQは132(WAIS-Ⅲ) で、これは某高IQコミュニティでは最低ランクです。
高IQとは言っていますが、その実態は ちょっとだけ器用なただの凡人 です。
私以外のメンバーは、私以上にIQが高いので、私よりもずっと有利な条件で生きているはずです。
一般にIQが高くなればなるほど、知能の高さに加え、更に色んな才能に恵まれていき、人生を有利に生きていくことが可能になるからです。
(IQ132程度の私はほぼ凡人なので、何の才能もありません(笑))
高IQの人の人生は、普通の人よりもずっと過酷で厳しい人生であっても 「奇跡」 が起きて、不可能が可能になることがあります。
「奇跡」 の力で、困難を乗り越えられるので、普通は「うつ」にならないはずなんです。
その 「奇跡」 のように見える現象は、実は 高IQ独特の高度な計算能力 と、高IQ者の不断の努力 によって作り出された あるシュチュエーション のことで、本当は 「奇跡」 でもなんでもありません。
普通の人にはまるでそれが信じがたい 魔法 や 手品 のように見えるので、「奇跡」 が起こったように錯覚するだけ なんですけどね。
そんなわけないやん(笑)
そんな 「奇跡」の力を秘めた高IQの人が「うつ」になっている 事実。
その女性は、「うつ」状態に陥っているばかりか、過去の辛い出来事から起こるPTSDに苦しめられてもいました。
私は人よりも苦労の多い人生を歩んできたはずですが、私は「うつ」も「PTSD」も発症したことがないため、なぜ「うつ」や「PTSD」を発症してしまうのかがとても不思議でした。
私はこのことから 「著しく不利益な環境におかれても、うつになる人とならない人がいる」 と考えるようになりました。
❸ ストレス対処能力
「著しく不利益な環境におかれても、うつになる人とならない人がいる」 ことについて、私はずっと不思議に思っていました。
その答えは 『ストレス対処能力(SOC)』 や 『レジリエンス』 にありました。
1. ストレス対処能力(SOC)
SOC とは 「Sence of conherence (センス・オブ・コヒーレンス)」 の略で、直訳すると 「首尾一貫感覚」 という意味です。
ユダヤ系アメリカ人の医療社会学者 アーロン・アントノフスキー (Aaron Antonovsky)博士により、1979年に提唱された考え方です。
アーロン・アントノフスキー博士🖕🖕🖕
🍀 SOCの3つ要素
ストレス対処能力(SOC) は3つの要素から成り立っています。
🔹 把握可能感(わかる感)
自分の置かれている状況、自分の置かれるであろう状況がわかる( 先を見通しながら、今の現状を見る)
🔹 処理可能感(できる感)
なんとかなる、なんとかやっていける、自分は大丈夫という感覚
🔹 有意味感(やるぞ感)
仕事や日々の生活、すべての物事に意味ややりがいを感じる
つまりこの3つの要素を高めれば、ストレス対処能力(SOC)が高くなり、ストレスを克服することができる 、という考え方です。
ただ、私は心理学の初学者で、会社員と2足のわらじを履いている付け焼刃的心理学徒なので、実際のところ、『ストレス対処能力(SOC)』についてはあまりよくわかっていません。
詳しくは、アーロン・アントノフスキー著 『健康の謎を解く ーストレス対処と健康保持のメカニズム』 をお読みください(笑)
🍀 『ストレス対処能力(SOC)』を高める方法
私はどちらかというと、おそらく 『ストレス対処能力(SOC)』が高いタイプ です。
なぜ私の『ストレス対処能力(SOC)』が高くなったのかというと、私の場合は「看護学校」と「看護大学」に行ったからです。
看護教育で鍛えていただいた結果、元々看護師にまるで向いていなかった本来の人格を、看護業務を可能にするために、改めて看護師に望ましい人格に作り変えることになりました。
そのため「看護学校」に行く前の私と、「看護大学」卒業後の私は、まるで違うタイプの人間になっています。
正看護師になったあたりから、能力とともになぜか『ストレス対処能力(SOC)』が非常に高まり、著しく不利益な環境におかれても、克服していけるような人間になった・・・と思います。
ちなみに私の母校は卒業率50%(入学生の50%は退学)なので、私の母校の看護学校に入学されれば、50%の可能性で『ストレス対処能力(SOC)』がアップすると思います✨
ただ、退学の可能性も高いため、50%の確率で、挫折体験から自分に対するネガティブな感情が発生する可能性があり、『ストレス対処能力(SOC)』が高まるかどうかは、入学してみなければわからないと言えます。
2. レジリエンス
ストレスに対処するために欠かせないもう1つの概念として、『レジリエンス』 があります。
『レジリエンス(resilience)』 とは、直訳すると 「弾力」 や 「復元力」 、 「回復力」 を意味する言葉です。
🍀 『レジリエンス』の意味
元々、「(物理的な)外の力からのゆがみを跳ね返す力」 という意味で、物理学で使われる言葉でしたが、心理学に転じて使われるようになりました。
心理学領域でも、たくさんの研究者が 『レジリエンス』 を研究していますが、もともと物理学の概念だったので、代表的な提唱者はおりません(むしろ、たくさんいるとも言える)。
心理学では、外的なストレスを跳ね返し、時には成長の糧とするような潜在的な力を指す言葉となっています。
精神医学では、ジョージ・A・ボナーノが2004年に述べた定義 「極度の不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持することができる能力」 が知られています。
🍀 著しく不利益な環境におかれても、うつになる人とならない人がいる」理由
私がずっと不思議に思っていた「著しく不利益な環境におかれても、うつになる人とならない人がいる」理由は、『レジリエンス』 では、
① ストレスなどの外的圧力を撥ね返す復活力
② 逆境や困難に押しつぶされることなく外的環境に順応していく適応力
に違いがあると説明されています。
この 「適応力」「復活力」が、レジリエンスの本質 といえます。
🍀 ざっくばらんな『レジリエンス』の解説
初学者の私にはすごく難しいので、私が知り得た範囲でものすごくざっくばらんに 『レジリエンス』 についてご説明しますと、 『レジリエンス』 には以下の2つの種類があります。
① メンタルの強さ
② ストレスからの回復力の強さ
まず少々のストレスならば、①の 「メンタルの強さ」 で跳ね返します。
①の 「メンタルの強さ」 は、いわゆる 心のバリアー とか、 A.T.フィールド のようなもので、 本人の心 を守っています。
ストレスに直面した時に本人の心が受ける衝撃の強さは、
⭐ ストレスに直面した時に本人の心が受ける衝撃の強さ
本人の心が受ける衝撃の強さ = ストレスの強さ ― メンタルの強さ
の式で表すことができます。
更に、 『レジリエンス』 が如何に高くても、大きなストレスに直面すると一時的に凹むことがあります。
しかし、 『レジリエンス』 が高い人は、②の 「ストレスからの回復力」 が強いため、時間の経過とともに衝撃からメキメキと回復し、元通りになります。
そればかりか、逆境を糧に更に成長する ことさえあります✨
というのが「レジリエンス」に対する私なりの見解ですが、ただ、私は心理学の初学者で、会社員と2足のわらじを履いている付け焼刃的心理学徒・・・(以下略)。
🍀 PTSD(心的外傷後ストレス障害)
生きていれば誰しも トラウマ(心的外傷)体験 を経験することがあります。
しかし、心理的外傷を経験した人全てが、PTSDを発症するわけではありません。
そのトラウマを克服し適応している人もたくさん存在するのです。
PTSDを発症する人の割合は、8~20% と言われています。
深刻な心的外傷を経験した人でもPTSDを発症するのは14%ほどといわれており、PTSD発症の有無が『レジリエンス』で説明されています。
つまり、『レジリエンス』が高ければ高いほど、PTSD発症の確率が低くなる のです。
3. ストレスマネジメント―持続可能な進化方法
人生の全ての期間において、何もかもが順風満帆ではありえません。
人生には試練がつきものです。
『ストレス対処能力(SOC)』 が高い人は、そうでない人に比べメンタルが強く、逆境をもろともせずに乗り越えていく傾向があります。
更に 『レジリエンス』 が高い人は、赤く焼いた鉄が打たれるたびに強くなるように、困難を克服するたびに経験から色んなことを学び、能力を高め、更に強く賢くなっていきます。
ストレスに強い人は、逆境を糧に進化し続けていくことが可能 になるのです✨
ポジティブ心理学を学ぶと、人間の可能性や人間の素晴らしさがよくわかり、モチベーションがあがりますね✨
❹ 上位30%の法則
というわけで、ストレスマネジメントの重要性がわかりました。
しかし、問題は全ての人が素晴らしいストレス耐性を発揮できるわけではない、ということです。
著しく不利益な環境におかれても、ストレス耐性を遺憾なく発揮して困難を乗り越えていける人の割合は、およそ 30% だとされています。
1. 上位30%の法則1:アウシュビッツのホロコーストで生き残った人の話
🍀 アントノフスキー博士の「アウシュビッツ」追跡研究
『ストレス対処能力(SOC)』を提唱したアーロン・アントノフスキー博士は、1923年にアメリカのブルックリンに生まれました。
ユダヤ人であるアントノフスキー博士は、アウシュビッツから生還したユダヤ人たちの健康状態 に強い関心を持っていました。
青年期において、最悪のストレスに晒された人々が、中年期以降、どのような生活を送っているのだろうか。アウシュビッツの経験が健康にもたらす悪影響はどんなものだろうか、と。
🍀 30%のサバイバーが健康状態を維持していた
調査の結果、約70%の人々は、強制収容所経験のトラウマによってPTSDとなったり、うつ状態に苦しんでいる ことがわかりました。
しかし、残り 30% の人々は健康的に生活 していました。
アントノフスキー博士の調査により、人間の尊厳を剥奪され、生命の危険に晒されながらも、その経験を糧として、たくましく生き延びた人々が少なからずいたという事実が判明したのです✨
2. 上位30%の法則2:統合失調症患者さんのうち就業している人の割合
🍀 統合失調症の診断を受けるということ
「アウシュビッツ」ほどではありませんが、「統合失調症の診断を受ける」 ということも、患者さんにとっては大変なストレスだと思います。
少なくとも私にとってはそうでした。
統合失調症の患者さんは 三大症状(陽性症状・陰性症状・認知機能障害) のみならず、抗精神病薬の副作用 や、社会活動の制限 (精神病院への入院/学校を退学/仕事を退職/住み慣れた自宅から離れてのグループホームへの転居)などによっても大きな衝撃を受けることになります。
私の場合は、何よりも精神病院の入院と、仕事を退職しなければならなかったことが辛くてたまりませんでした。
辛いのは私だけではなく、たくさんの統合失調症患者さんが今もまだ苦しまれていることとお察しいたします。
🍀 統合失調症患者さんの就業率はおよそ30%
統合失調症の診断は、時に患者さんの人生を跡形もなく破壊してしまうこともあります。
統合失調症を罹患すると、生きていくだけでとても大変だと思います。
そんな大変な統合失調症を抱えながら働くのは並大抵ではありません。
統合失調症患者さんのうち、働けるのはおよそ30% と言われています。
やはりここでも 30% という数字が出てきました。
症状や病状によって、精神障害の「重い」「軽い」が異なるので一概には言えませんが、統合失調症になっても働けるのは、『ストレス対処能力(SOC)』や『レジリエンス』が高く、優秀な患者さんたち なんだと思います。
誠に残念ながら、この比率から、並みかもしくは並み以下の能力では社会参加すら難しい のではないかと思います。
しかし、社会参加できないことによって苦しんでいる障害者の友人も知っているので、私としては、障害があろうとなかろうと、社会参加を希望している全ての人が、社会参加が可能となる社会になることを願ってやみません 。
❺ 結論
結論としては、2つのことが言えると思います。
🏵️ 結論
- 人間には著しく不利益な環境におかれても、正常な平衡状態を維持し、困難を克服していく素晴らしい能力が備わっている
- その素晴らしい能力を発揮できるのは、全ての人ではなくおよそ30%の人々である
『ストレス対処能力(SOC)』や『レジリエンス』は、「うつ」や「PTSD」の治療・予防に非常に役立つ概念だと思います。
これからも時間を見つけては、ちょっとずつ本を読んでいきたいと思います🙂