ちょっと前になるのですが、、日本橋の高島屋で「武井武雄の世界展 」を見に行ってきました。



武井武雄さんは初めて「童画」という言葉を生みだし、大正から昭和にかけて日本の童画界をリードしてきた方です。



童画家だけでなく、版画家、造本作家、詩人、玩具デザイナー、郷土玩具やこけしコレクターなどなど、様々な顔を持つ武井さん。


こけしを通じて(←笑)武井さんのことは以前から知っていて、今回は生誕120周年を記念した大回顧展ということで、すごくワクワクしながら訪れたのですが…



もうね、あまりにストライクな、素晴らしい展覧会で打ち震えました…!!






「ことりのくに」1955年


子どものたましいに触れる絵を描くことを「男子一生の仕事」と心に決めて創作活動をされていた武井さん。


武井さんの童画を見ていると、どの絵も隅々まで命が宿っているようで、魅入ってしまう。


ユーモアに溢れてて可愛らしい絵もあれば、風刺が効いていたり、ちょっと怖い絵もあったり。


一度見たら忘れられないような独特で繊細なタッチ。


子どもだましではない、「本物の絵」がそこにありました。







童画や版画ももちろん素敵だったのだけど、


今回の展覧会で一番感動したのが、「本の宝石」とも呼ばれる、手のひらサイズの「刊本作品」。


武井さんは、本そのものを芸術作品ととらえ、生涯で139冊の凝りに凝った「刊本」を出版されています。


和紙だけでなく、寄せ木細工や螺鈿、磁器やステンドグラスでできた本や、


紙を糸状に裂いて、絹糸と一緒に織り上げたゴブラン織りの本、


パピルスを使ってみたくて、わざわざパピルスを栽培して4年半もかけて作った本などなど…


一冊ごとにありとあらゆる技法と素材を探求していて、その情熱たるや凄まじい…!


まさに宝石のようにキラキラしていて、こんなに美しくて夢のような本があるんだと、ガラスケース越しに大興奮してしまいました。


「刊本」は会員の方だけに配布される限定本だったらしく、会員になるのを待つ「我慢会」や「超我慢会」まであったとか…! ∑(゚Д゚) すごくわかる!

 





そして、私もガラスケース越しではついに我慢できず…(笑)


展覧会を観た後、神保町の古本屋に走り、「刊本」を一冊手に入れてしまいました…!!


『平和白書』という1970年に出版された本です。


古本屋さんで、いろいろな「刊本」を触らせてもらい、この本にビビビッときました。


布のような素材に版画風にプリントされているのかな…?


写真じゃうまく伝えられないけれど、本当に綺麗で繊細な本でうっとり:*:・( ̄∀ ̄)・:*:


ちょっといいお値段したけど、私の宝物になりました♪





日本橋ではもう展覧会は終わってしまったけれど、23日から横浜の高島屋で、その後も大阪や京都や石川などで展覧会があるみたいなので、ご興味があればぜひ訪れてみて下さい。


多分、本好きの人にはたまらないはず…!


長野のイルフ童画館 もいつか行ってみたいなー。。