NODA・MAP「贋作・罪と罰」 を観に、シアター・コクーンへ。


この作品にはとても思い入れがある。

といっても、初演はビデオでしか観てないのだけど、とにかくヒロインの三条英(大竹しのぶさん)が凛としてカッコイイ。ラストの演技とか、なんかすごい神がかってたのを覚えてる。

戯曲を、大学の劇団の稽古の時によく使ったりしていたから、いまだに空で言える魂うち抜くようなセリフがいっぱいあって、過去のNODA・MAPの中でもかなり好きな方。


その作品が、10年ぶりに再演されるという。

これは絶対観なきゃ!と劇場に足を運ぶのを心待ちにしていた。


・・んだけど。


なんでかなぁ。席が舞台から遠かったせいなのかな。

期待していた以上にはあんまり胸にこなかった。

中盤なんて、睡魔さえ襲ってくるし!なんでなんで?大好きなNODA・MAPなのにー!

とはいっても、魅せるところは魅せてくれるし、役者さんもうまいし、それなりに良かったのだけども。


昔、NODA・MAPを観た衝撃。

鳥肌がゾワゾワ立って、心臓が高鳴って、頭がぐるぐる回って、この瞬間がいつまでも終わらなければいい、と強く願い続ける、あの感じ。

観終わっても、内側がずっと熱くて、感覚という感覚が開いている、なんか分かんないけど泣きそうな、あの感じ。

そういうのを、そういえば久しく体験していない。

最近のNODA・MAPだと「オイル」が最後かなぁ。


観慣れたせいもあるのかしら。

それとも最近、自分が舞台から遠のいてるから?

うーん。なんか、ちょっと寂しい。


でもきっと

これからも野田作品は観続けていくんだろう。そして毎回期待しちゃうんだろう。

野田作品を観ると、初心を思い出す。

演技する喜びとか、純粋に芝居が好きだとか、表現したいという衝動。

私の、背中を押してくれる。


天才・野田秀樹様。

これからも伝説を、生み出してください。

次は新作が観てみたいです。

ていうか、いつか出たいです。