雪景色の中 ウォーキング。
冷たい空気は、いつもよりも感覚を研ぎ澄ませる気がする。
 
最近は散歩からウォーキングへ進化。
とても不思議な感覚を体感中。
 
・・・・
 
私の場合・・
散歩は、移りゆく景色を眺めながら、
足を止めたり、写真を撮ったり、意識は外へ向けられている。
 
ウォーキングは、一定の速さでリズムよく歩き、歩くに集中し、
呼吸と姿勢、自分の身体(内)に意識を向けている。
 
呼吸に集中して歩くと身体の中に変化が現れ、
まるで温泉の源泉があるかのように、お腹のあたりからポカポカして、
何よりも身体が軽くなり、景色は現実的ではなく、
まるで映像のように流れていく。
肉体から解放される感覚は瞑想に近いのではないかと思った。
ウォーキングのあとは、身体は解れ、呼吸も深い。
 
不思議なのは、ウォーキングのときの精神状態、身体の状態、
外界との感じ方・・様々な要素が、
演奏しているときの感覚に似ていることだ。
 
ふと・・スポーツ選手が言うゾーンのことが過る。
 
ゾーンとは・・
 
集中力が高まり、周りの景色や音などが意識の外に排除され、
自分の感覚だけが研ぎ澄まされ、活動に没頭できる特殊な意識状態を指します。
ゾーンに入れる人は自分に絶対感があり、どんな逆境でも集中力を乱されず、
自分軸を外すことなく、自分の感覚を研ぎ澄ましていくことができます。
 
・・とあった。
 
なるほど・・・。
完全なるゾーンではないが、プチゾーンくらいの体感なのかな・・
 
生徒の中に、レッスン後、隣駅まで歩いて帰る生徒や、
隣駅の職場まで歩いて出勤する生徒がいる。
どちらも「身体が軽くなるし気分がいい」と言う。
陸上部の高校生は、部活で毎日何キロも走り、
一日の終わりにピアノの練習をすると夜の勉強が捗るという。
受験を乗り越えた彼女は卒業のとき、
歴史ある講堂でショパンの革命と大洋のエチュードを弾いた。
受験の間、走るも弾くも、気持ちのリセットになっていたと言う。
彼女たちの話を聞いていると、とても清々しい気持ちになってくる。
 
マラソンランナーは、そこに道があれば走る。
登山家は、そこに山があれば登る。
多分、身体が気持ちいいを知っているからだろう。
心よりも先に身体が動いてしまうのかもしれない。
私自身、健康のためと思っていた散歩は、
今では歩きたい、歩いたあとの爽快感を味わいたい、と思うようになった。
雨でも雪でも散歩をしている人の気持ちが少しわかったように思う。
集中していたら天候は関係ないのかもしれない。
 
歩くに学ぶ・・遅まきながら、私も「歩く仲間」