この三連休、横浜は暖かい日和でした。

みなさまのところはいかがだったでしょう。

ありこちで桜の開花のニュースが相次いでいますが、ウチの近所も咲き始めました。

桜の木の下で用を足す犬が1匹…

まぁ、それはさておき、

先日、「フランス厚生大臣が新型コロナウイルスにイブプロフェンの服用をすすめない」と拙ブログでお知らせしました。

WHOも同様にイブプロフェン服用は推奨しない立場でしたが、

その後、「控えることを求める勧告はしない」と方針を転換しました。

新型コロナ悪化の報告なしＷＨＯ、「イブプロフェン」服用への注意修正

時事通信　2020年03月20日19時06分

世界保健機関（ＷＨＯ）は２０日までに、新型コロナウイルス感染者による「イブプロフェン」服用について、「控えることを求める勧告はしない」と表明した。イブプロフェンは抗炎症作用を持ち、鎮痛剤などに用いられている。ＷＨＯは、治療に当たっている医師への調査の結果、通常の副作用以外に、症状を悪化させるという報告はなかったと説明した。

１７日に報道官が、感染の疑いがある場合はイブプロフェンではなく、抗炎症作用の少ない「アセトアミノフェン」服用が望ましいと述べていたが、事実上修正した。

う〜〜〜ん

しかし、どうなんですかねぇ。

イブプロフェン、というかNSAIDs （非ステロイド性抗炎症薬）は、

原則として妊婦への使用は避けることが望ましい
妊娠末期（出産前12週以内）の妊婦などには原則として使用できない（日経メディカル処方薬事典より）

という薬です。

さらには、

・心筋梗塞や脳梗塞などの血栓性疾患（頻度は非常に稀とされる）などに注意は必要

とされているので、

新型コロナウイルスの場合でも、重症になる方は高齢者や基礎疾患を持つ人が多いとされているので、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬は、相当慎重に投与するべきではないでしょうか。

それと、

＞通常の副作用以外に、症状を悪化させるという報告はなかったと説明した。

とありますが、通常の副作用があるのなら、それも含めて投与を考えるべきではないかと思います。

また、WHO が「イブプロフェンを治療に使用して問題ない」とする理由は、

「イブプロフェンで新型コロナウイルスの症状が悪化するという証拠はないため」とありますが、

「イブプロフェンと新型コロナウイルスの関係についての研究はまだない」

だったら、証拠がないのは当たり前では？

このWHOの発表を読んでいて、東京大学医学部附属病院の中川恵一准教授の発言を思い出しました。

福島県の子どもの甲状腺がんの増加について彼が語った言葉で、

「これまで福島県の子どもの甲状腺がんについての調査はなかった。だから、（子どもの甲状腺がんが）増加したとは言えない」というものです。

こういう証拠（エビデンス）や調査の使い方もあるのですね。

ちょっと勉強になりました。

さて、イタリアです。

新型コロナウイルスの死亡者数が中国を抜いて、世界一位になりましたね。

致死率は以下の通りです。

イタリアの死亡率が飛び抜けて高いのは、

・高齢化社会

・医療崩壊

上記の理由があげられています。

その他に、

「ウイルスの株が違う」

という説もあるようですが、

国境閉鎖前に、周辺諸国との流通や観光客の出入国もたくさんあったと思われるので、それでは説明がつきません。

では、なぜ？

ネットを見ていたら、

「オリーブオイルとイブプロフェンの類似性」についての指摘が目につきました。

調べてみると

2005年の科学誌ネイチャーにアメリカ・ペンシルベニア大学の研究チームの発表した論文

「エキストラヴァージンオリーブオイルにはイブプロフェンと似た働きがある」Ibuprofen-like activity in extra-virgin olive oil
というのがありました。

それによると、

オリーブオイルの中でも、上質なエキストラヴァージンオリーブオイルには、口に含んだ時にぴりっとする刺激がありますが、

これはオレオカンタール（Oleocanthal)というエキストラヴァージンオリーブオイル特有の成分によるもので、

このオレオカンタールはイブプロフェンと著しく類似した効力を持ち、天然の抗炎症化化合物として作用しているように見えるのだそうです。

それを知ってか知らずか、イタリアでは風邪をひくと、みなさんエキストラバージンオリーブオイルを口に含むのだとか。

厄介なのは、風邪やインフルエンザなら、それでOKなんでしょうが、新型コロナウイルスにはOUT!なところ。

もしかして、これがイタリアの世界最多の死亡率を招いた?!

新型コロナウイルスは症状だけで通常の風邪やインフルエンザとは見極めがつかないのも困ったものです。

さらには、ウイルスが考えられないスピードで変異していくので、検査方法が追いつかないという指摘もあります。

つまり、変異が進んだウイルスはPCR検査でも検知し得ないとか。

う〜〜〜ん（これで今日二度目だ）

どうしたものですかねぇ。

個人的には、もはやウイルスとの”共存”しかないのではと思っていますが、それにしても感染した高齢者や既往歴のある方の治療は最優先すべきですね。

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イタリアはなぜ新型コロナウイルスの死亡率が高いのか/オリーブオイルとイブプロフェン