今日夫関係の手続きがあり、仕事帰りにある場所へと出向いた。

正直言ってめんどくさいなぁと思わなくもなかったが、大事なことなので早く帰りたがっている疲れた身体に鞭打つ。


そこでいろんな書類の説明を受けた。

その中の一枚に見慣れた筆跡の文字を発見した。

夫の筆跡だった。


それを見た瞬間、涙が溢れ出てしまった。


久しぶりに夫そのものに会えた気がした。


夫が逝ってしまって以来、いろんな事と格闘しなくてはいけなくて張り詰めていた氷のような心が一瞬で溶け出すようだった。


その帰り道の事。

いつものように駅から自転車に乗って帰っていると、1人の少年が飛び出してくる事に気付いた。

それでこちらのスピードを緩めると、その男の子もそれに気付いてにっこりしながら走り去っていった。


その子はまるで夫を少年にしたような男の子だった。


あぁ、そうか。

今夫はああして無邪気に笑って私の元を去って行ったんだ。

だったらもうあまり嘆かずに行かせてあげよう。


かなり前に見た「はじめてのおつかい」でお使いに出た小さな女の子が「泣いたらダメだ。泣いたら力無いよ」と目にいっぱい涙をためながら自分を鼓舞していた。


あんな小さな女の子が言っていた言葉は真実だ。

泣いたら力は出ないんだ。


私はこれからたった1人で世の中を渡っていかなくてはならない。

しかも50手前という年齢でだ。

泣いて力を無くしてる場合じゃない。


すぐに全開にはなれないかも知れないけど、理想の自分、理想の人生を目指して歩いて行こう、この足で。

歩いて行くのは1人だけど、周りには温かく見守ってくれる人がたくさんいるじゃないか。


↑バイバイ、夫。

私もまた世界に向かって旅立てるように頑張るよ。