泣いても笑っても今回の旅最後の1日は始まる。
7時ぐらいにベッドから起き上がり、朝の身支度をした。
この滞在ホテルでは朝食をつけなかったので、近くにある前から行きたかった店へと向かう。
今日も朝から食欲全開、空も晴れていて気持ちが良い。
しかし、暑いことは暑いが台湾の夏はもっともっと湿度が高く、もっともっと暑い。
からりとした空気に時折吹いてくる風は、やはり秋のものであった。
ホテルの横の路地を入り、少し歩くと目的のComida炭烤吐司(炭焼きトースト)に到着。
最近豆乳系の伝統的な朝ごはんに加え、台湾での朝ごはんとして観光客にも知られるようになったトーストのお店だが、台北市内にはいくつか有名なお店がある。
その中でも知名度の高さや観光客の行きやすさで言えば、この店ではないだろうか。
何しろ、アンバサダーホテルの裏にあるのだから。
トーストと言っても焼いたパンのみを出すわけではなく、トーストしたパンに中に色々な具を挟んだ韓国でも見られるスタイルのトーストサンドなのだ。
さすが有名店なだけあり、日曜日の朝からかなり賑わっている。
何とか注文を終え、オープンエアな座席(テラス席と言えば良いのか?でも単なる軒先。目の前が公園なので良い感じ)で出来上がりを待った。
待つことしばしで待望のトースト登場。
豆乳はペットボトルに入った甘くないもの(日本の無調整豆乳がそのままペットボトルに入ったもの。←最初に店員さんから説明あり これはこれで飲み慣れたものなので良いが、台湾の甘く味付けした豆漿も飲みたかったなぁ)で、トーストにもよく合った。
トーストは最高に美味しい!
また台北での朝ごはんの選択肢が増えてしまった…。
トーストのゆるキャラがキモ可愛い。
ちなみにメニューの5番、可可肉蛋吐士は何と豚肉+卵+チーズの具をトーストにヌテラ(あのチョコレートのペースト!)を塗ったもので挟んだもの!
夫は選ぶのがめんどくさかったのか、「俺もそれで」。
違うやつにしてくれたら色々(特にヌテラのやつ)食べられるのに!もう!
ジョロキアは確かに辛いが、卵とチーズのまろやかさが上手くまとめてくれてて美味しかった。
前日に食べた蛋餅も、Mr.Lin'sのフレンチトーストサンドもそうだが、台湾のパン系の粉もんに挟んである豚肉は何であんなに美味しいんだろう!?
未体験の方、ぜひ食べてみて欲しい。
日本ならハムやベーコンを挟むところに焼いた薄い豚肉なのである。
コンビニに寄り道した後、部屋に戻り、荷物をパッキングしてチェックアウトした。
まだチェックアウトの時間には早いが、その時間にホテルに戻れるかわからないからだ。
大きな荷物はいつものようにフロントで預かってもらった。
ホテルの前からタクシーに乗り、迪化街へ。
日曜日だから休みの店も多いかも知れないが、やはり行っておきたい迪化街(しかし、最近は日曜でも開いてる店が本当に多くなった)。
永楽市場の脇で降ろしてもらい、目の前にあった3軒並んだ薬草茶の店で青草茶を買い、一気に飲んで胃をすっきりさせた。
さぁ、買い物開始だ。
チロリアンテープがたくさん売っている介良は残念ながら休み。
なのでそのまま進み、小藝埕まで。
小藝埕ではASWという紅茶の店で紅茶にスコーンの優雅な時間を過ごしたい、という希望だったのだが、夫が何か嫌そう。
「その間違う好きな所に行ってていいよ!」と言うとさらに嫌そうに…。
しょうがないので今回は諦めたが、今も思い出したらムカつく一件である。
とりあえず先に進もうと、歩き始めると路上で何やらやっている。
何かと思って見たら…おお!包丁マッサージじゃないか!
これは今まで何度かテレビの台湾紀行番組で観たもので、切れない包丁2本でトントンと身体をリズミカルにマッサージするものなのだ。
「10分220元です。やりませんか?」と声をかけられたので「やります!」と即答した。
私の他には地元の男性がマッサージされていた。
夫もテレビで観て「これやってみたいなぁ」って言ってたので、探してみるといない。
後で訊いたら「向こうから言われたらやろうと思ってたのに、言われなかった…」と言う、「はぁ???」な答えだった。
探してもいないし、私はやると言ったので、マッサージ師の女性(テレビで観た時にも思ったのだが、このマッサージを施術する女性はなぜか美人ばかりである)に促されるまま座り、肩にタオルをかけられ、マッサージ開始!
うっ…、肩はちょっと痛いかも…と思いながらも我慢出来ない痛さでは全くないので我慢していると、包丁が首の後ろに迫って来た。ここめっちゃ気持ちいい〜!これ最高!首の後ろばかり重点的にやってもらいたいぐらい。
しかし、路上で施術されているからか、いろんな人がジロジロ見てくる(そりゃそうか)。
日本人観光客の女性二人組にも他のマッサージ師さんが勧誘していたが「やっぱりいい」と行ってしまった。
私は旅先でこういう変わった体験をするのが大好きなので、ついついやってしまうのだ。
コーヒー派、もしくはコーヒー気分の方は隣の爐鍋珈琲へ。
「あなたの肉を魯肉飯の具にしてあげるわ!」と言われたわけではなく(でも思ってたかも)、この包丁で路上マッサージをしてくれる美人マッサージ師さん。
前からテレビで何度か見て「やってみたい!」と思っていた。
もちろんこの包丁は切れないようになっている。
次に民藝埕へ。
この○藝埕と言うのは迪化街にいくつかある(現在も増殖中)古い建物をリノベーションしたものを利用した小さな商業施設で、そこにはMIT雑貨、カフェ、レストランやホテルまであるのだ。
間口の狭い、鰻の寝床状態の建物は中庭を挟みながら奥へ奥へと進んで行ける。
この民藝埕は一階は同じ店であるようだが、二階には南街得意という茶藝館がある。
私も一度行ったが、本当に素敵な空間だった。
なお、あまりにも建物が古いため子供さんは二階には立ち入れないそうだ。
見るからに持ち帰りが大変そうだが欲しい…。
我ながらこういう花モチーフのものに本当に弱い。
そして必ず覗く點子食品へ。
店の前で店員さんが桑の実の炭酸水を試飲させてくれる。
味は何だかカシスにそっくり!これは美味しい!
後で買いますね、と言って先に店の中を見る事にした。
なぜか、入り口にクリスマスの飾りがしてあるが、まぁ可愛いからいいか。
中で海苔にナッツが挟まれたスナックとドライフルーツにチョコをかけたものを買った。
するとお店のご主人がバナナを私と夫に一本ずつくれた(!)。
「台湾バナナね!」と言ってにっこりするご主人に「謝謝」と言い、外に出た。
試食も山ほどさせてくれるし、親切な店である。
そして、先ほどの桑の実のソーダを購入し、店の前に出してあったベンチに座り、夫婦でバナナを食べつつサイダーを飲んだ。何かシュールだがバナナもサイダーも美味しい。
そうそう、最近迪化街のメインストリートは日曜日には歩行者天国になったんだそうだ。
しっかりした容器に入れてくれた。
民生西路の交差点も過ぎ、いよいよ(?)迪化街の奥へと進む。
高建桶店でかごを買い、今まで買った品物を入れた。
迪化街を歩くと乾物やらドライフルーツやらでいつの間にか荷物がどんどん増えていく。
新しく出来たお菓子の店(まるで和菓子屋さんみたいな雰囲気だった)や石鹸の店、カフェ、フルーツ屋さん…入りたい店が次から次へと登場する。
きりがないのでさらに先へ進み、涼州街の你好我好へ。
このブログでも何回も紹介している、有名な台湾のコーディネーター、青木由香さんのお店だ。
台湾を知り尽くした青木さんが台湾の良いものばかりをセレクトしたお店で、行くたびに何かしら買ってしまうし、欲しいものが増えて行く。
今回はリピートしている澎湖(台湾の離島)で作られているピーナッツのお菓子、花生酥と青木さんセレクトの楽しいものを購入(購入品に関しては別記事にて書かせて頂きます)。
ちなみに花生酥は本当に美味しい(ピーナッツで作ったショートブレッドみたいな感じ)ので、ナッツアレルギーなどでなければぜひ買ってみて頂きたい逸品だ。
你好我好を後にして、MRT大橋頭駅へ向かう。
途中、住宅街の一角でものすごく人が並んでる麺の店を発見したが、あまりにもすごい列なので並ばなかった(並んだら良かった)。
まだまだ隠れた名店がありそうな、大稲埕エリアであった。
でもこちらの方が落ち着いて買い物できそうである。
今度からはこっちかも。