私が高齢者や介護について関わるきっかけは

 

大学で社会福祉を専攻して、社会福祉士を目指そうと思って行った実習先が

 

特別養護老人ホームだったから。

 

本当は、大学では児童福祉を専攻したかったし、学校の先生になれないなら

 

私のような片親や両親がいない、何かの理由で親と一緒に過ごせない

 

児童のために何かしたいとずっと思っていた。

 

でも、新設大学の二期生だったこともあり、児童福祉施設での実習は

 

希望はしたものの、行くことができず、老人ホームでの実習が決まった。

 

 

措置の時代からあった、古い特別養護老人ホームでは、

 

脱衣場のない浴室の前で何人も車椅子の高齢者が並ばされ、

 

浴室の中では長靴、分厚い防水のエプロンをした生活相談員が

 

次々と入居者を洗っている姿を見て、

 

『とても人間がお風呂に入ってるような様子じゃないな』

 

とこれがお年寄りの行く末なのか。。。と

 

学生ながら、ショックを受けたし、福祉の当時の現実の世界だった。

 

 

お年寄りの行く末がこんなことになってるのはおかしい!

 

そう思って、学んできたことを活かして、高齢者の方に寄り添えるような

 

そんな福祉従事者になろう!と心に決めた。

 

 

社会福祉士とは、どんな役割かというと、施設や病院や地域包括支援センターなど

 

医療、福祉サービスを受けたい方に適切なサービスを提案したり、

 

困っていることを解決できるような、相談援助を行う仕事だ。

 

 

とりわけ、私の所属している特別養護老人ホームでの生活相談員は

 

社会福祉士ではなくてもできる仕事。

 

生活相談員って何をするの?と聞かれて、自分でも以前は

 

うまく答えることができなくて、「何かいろいろやらされる雑用係」

 

そういうイメージを持っていた。

 

 

 

今、生活相談員ってどんな仕事?って人に

聞かれると

 

『何でもやる、スキマ産業みたいな仕事』

 

と答えることが多い。

 

 

雑用係と変わらないんじゃ?とマイナスイメージを持ちそうだけど、

 

そうではなくて、

 

その時の状況や人、事象に合わせて解決できる可能性のある担当者に

 

引き合わせたり、時にはチームケアで解決できるよう働きかけたり

 

遠足の引率もするし、電話相談、見学対応、入居面談や契約もするし、

 

苦情担当窓口もやる。

 

フラワーアレンジメントや習字の準備や見守りもするし・・・

 

施設内での仕事だけ考えても数えきれないほどちょこちょこっとした仕事が多く、

 

入居者さんに聞かれたときに『スキマ産業』と答えたときに、

 

かなり納得されたことを覚えている。

 

以前は、ケアマネジャーの仕事もしていたのだけど、

 

やはりケアマネジャーではなくて 『相談援助のプロ』として

 

社会福祉士の自分で向き合える仕事にもう一度出会いたくて

 

今の施設では生活相談員をさせていただいている。

 

ただ、見学対応だけとっても施設の紹介をして

 

入居してもらうよう働きかけるというのではなく

 

自宅での介護に限界を感じて、施設を探している

 

ご家族、病院から退院を迫られているご家族、

 

仕事をしながらの介護に疲れきったご家族、

 

老々介護で、自分も倒れてしまいそう。。。と

 

相談に来られたご家族の話を聞いて、

 

施設の紹介もすることもあるし、

 

施設以外にどういうところへ相談したらよいか

 

助言することも多い。

 

 

このブログを始めたのも、介護の困りごとを

 

一緒に考える、地域の相談機関へ行けるように、

 

そっと背中を押せるような、

 

まだ出会っていない方々の役に立ちたいと

 

思ったから。普段の肩書きは、

 

とある施設の生活相談員なので、

 

施設のことは常に念頭において話すことが多い。

 

 

でも、ブログやSNSなら、施設にとらわれず、

 

 

気軽に問い合わせできるかもと思っている。

 

 

 一件一件のケースにきちんと向き合ってみたい。

 

 

 

もちろん、福祉の仕事で頑張っている、

 

同志の方々とも繋がってみたい。