赤坂で歌舞伎 | another way

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新たにまた一歩踏み出す

歌舞伎を何十年か振りに観ました。

 

前に観たのは、歌舞伎座が建て替えられる前で、

独身の頃だったかと思います。(随分昔)

 

大阪から東京に移り住んだのは、

会社の転勤ですが、観劇する機会がだんぜん多くなると思った、

も大きな理由のひとつ。

 

渋谷にシアターコクーンやオーチャードホールができた頃、

流行りの小劇場には行けなかったのですが、

歌舞伎座や日生劇場、帝国劇場、新橋演舞場、明治座・・・

あら?芝居というより、劇場に行きたかったのかしら.......?

 

誰かを誘うのが苦手で、いまでもたいていひとりで行きますが。

歌舞伎座をはじめて訪れたとき、休憩時間に早くトイレに行かなければ!と

近道と思って、通路を跨いだら、それは「花道」でした。。。

 

客席係のひとが、慌てて飛んできたので、こちらもびっくり!

 

20代の何も知らない田舎ものでした。

 

歌舞伎は、わかるようになりたいと思うものの、

勉強が追いつかず、古典の出し物はちょっと難しくて、気がつくと意識を失っていたり。

 

そうそう!前の猿之助さん(香川照之さんのお父様)のスーパー歌舞伎にははまって、

何回か観に行きました。

元々、演劇好きの原点は宝塚歌劇なので、派手なのが好きなのです(^^;

 

今回の歌舞伎は、鶴瓶師匠の創作落語が歌舞伎になったと、

その広告を読んで、すごく面白そうと思い、即チケット購入。

昔と違って、劇場に行かなくても、

繋がらない電話に何回もかけなくても、ネットでその場で買えるのはほんとに便利。

 

 

気軽に観れる2階席へ。

1階席は詰めていましたが、2階席は1人あけての指定で、客席も明るめでゆったりしておりました。

舞台からはちょっと遠いですが、盆が回るところを上から眺めるのは興味深かったです。

 

一幕「廓噺山名屋浦里」で浦里という超売れっ子花魁の身の上話に、

TBSのドラマJIN-仁の登場人物、花魁「野風」の生い立ちを思い出し、

特に里をでるときの別れの場面が、ありありと瞼に浮かぶようで、、、

ここでも、また、涙が....(まさか歌舞伎を観て泣くとは!)

 

舞台で初めて観た勘九郎さんは、お父さんの勘三郎さんにますます似てこられ貫禄が増し、

七之助さんは、ほんとに綺麗で品があって、素敵でした。

二幕の「宵赤坂俄廓景色」で甥っ子くん(長三郎)を後ろから眺める眼差しが、

一瞬おじさんになって、ほのぼのしました。

 

 

勘太郎・長三郎小さいお二人の舞台姿を観ながら

10歳、8歳という小さい頃から、厳しい稽古を重ねて、この場にいること、

それはこれから先何十年も続くことを思うと、

使命探しに悩んだり苦しんだりすることが無いかもしれないけれど、

生まれたときからずいぶんと思いモノを背負って生きているのだなぁと、

しみじみ思いました。

 

思っていたより、わかりやすくて、清々しくて、観た後のこころも晴れ晴れ、

2時間ちょっとの時間でしたが、

思いがけず、気づきの多い貴重な時間となりました。