この日は台風で長野県の千曲川が氾濫した日。
そう、病院に向かっている途中でちょうど千曲川が氾濫し始めていていたのだった。
そして千曲川が流れている近くの道路を通らなければ病院に到着できなかった。





その通らなければいけない道路に氾濫した水が勢い良く流れ始めていた。
道路が冠水でちょうど通行止めになる直前の事だった。





道路を横断する形で流れ始めていた濁流は辺りに街頭もなく暗くて直前まで水が勢い良く流れているのがわからなかった。
濁流が流れ始めた道路に何台か車が止まっているのを見て初めて異変に気付いた。




「ヤバい!氾濫した水が流れてきてるんだ!」
「とりあえず突っ走ろう!」従兄弟がそう言った。





従兄弟の運転する車は猛スピードで止まっている車の横を通り抜けてなんとか病院に辿り着く事が出来た。





その直後にその道路は通行止めになった。





病院にたどり着いたときは手術は終わってなかった。
予定より長引いていた。
それからどれだけ待ったんだろうか?
気が付けば手術が始まって10時間程経過しており深夜2時を回ろうとしていた。




看護師さんが出てきた。





『予定より長引いていましたがもうすぐ終わります』と。





結局、手術が終わり戻って来たのは3時を回っていた。





戻って来たEICUでみた母の姿は沢山の管で繋がれて人工呼吸器を装着していた。
頭からの管、酸素マスク、心電図、人工呼吸器、尿管、点滴。。。
見ていて痛々しかった。
お母さん。。手術頑張ったね。





でも、もしかしたらもうあの笑顔は見る事が出来ないのかもしれない。。






朝になり私達は母の家に戻って仮眠をしてお風呂に入った。
そして再び夕方に病院に向かった。