母が癌と診断され、私の考えと同じ考えのドクターに巡り会え、そのドクターは、必要以上に薬も出しませんでした。
勿論、抗がん剤の治療はしつつ、痛みを止める貼り薬と下痢を止める薬のみ!
シンプルにいきましょう!と言ってくださいました。
食べ物の規制も無く、好きなもの、食べたいものをどんどん食べていいですよ!と言ってくださいました。
余命もわずかですから、そうおっしゃったのでしょう。

以前知り合いの在宅医療に携わる方からのお話をふと思い出しました。
余命がわかっている患者さんに、好きなお酒、タバコなどを制限させないと。何故かと言うと、例えば肺がんの方にタバコはダメだけど、あと数ヶ月の人にタバコはダメですと言ったところで何が幸せ?なのか?
それならダメだとわかっていても、気の済む様にタバコを吸い、お酒を飲ませてあげた方が幸せではないのかと?言うお話でした。

私もその話には共感できました。
命の期限がある程度わかっているのであれば、好きなものを本人の気の済むまで食べたり飲んだりした方が本人も幸せなのではないかと。そのせいでもし寿命が短くなったとしても、好きなお酒やタバコなどを規制すること無く自由に出来ていたら、家族としても、まぁ好きなものを飲食出来たし!と気持ちも少し楽になるのではないかと思います。

亡くなってから、もっとお酒を飲ませてあげれば良かった!とか、タバコを吸わせてあげれば良かった!とか、甘いものを食べさせてあげれば良かった!とかさまざまな後悔が頭を過ぎるようになるのではないかと。

私の知人もお父様が癌になり、好きだったお酒も口にすることが出来ず後悔されていました。
その担当医は、口をぬらす程度ならと話していたそうですが、後わずかな生きている時間、飲ませてあげれば良い!と私は思ったのです。何の楽しみも無く、痛みや苦しみと日々闘っている人に、ほんの少しの幸せな時間があっても良いのではないかと思います。

立場上多分良いですよ!とは言えないのかもしれませんが、最後の最後なら許されるのではないかと思います。お酒が飲みたい!と言葉が発せるうちに。

あれもこれもダメだと決めつけられ、病気で苦しい思いをしている患者さんに、ほんのひと時、病気を忘れられる時間をあげて欲しいと願います。

お酒が飲みたい!いいですよ!飲んでください!
タバコが吸いたい!いいですよ!吸ってください!

患者さんの気持ちに寄り添うは、苦しみを和らげる事だけではないように思います。

私の勝手なる考えですけど。