最近は、どの病院でも癌の患者さんの治療法は、ガイドラインに従って行う事が決まっているようです。
その先、本当のルール以外の事もしてもらえるか?が病院の規模やドクターの経験で変わってくるようです。
母は、4月に入り癌の治療も良くも悪くも無く、精神面が崩れてしまい、担当医に私から相談を致しました。
このまま入院していても、母の精神状態が悪く、通院での治療に変えていただく事が可能なのかと。
当時、抗がん剤治療の為に入院していた事は、今になっては珍しい事ですね。
今は、通院での治療がほとんどのようですから。
担当医も母の状態の変化には気がついていたようで、退院に対して反対は無く、私から御母様にお話しますね!と。
私と担当医が話をしている事は、母は知りません。2人で話をしたとなると、余計な心配をかけ、良からぬ事を考えてしまうので。
数日後、担当医より母に退院の話が。
母は、嬉しそうに私に退院の話をしてきました。
家に帰れる!それだけで何でも出来そう、何でも食べられそうよ!
久しぶりに笑顔で話す母に、本当に辛かったのだなと思いました。
同じ病室の患者さんが色々な話を私にもしてくれました。
病気になったらね、とりあえず担当の先生に入院して直ぐ100万円を封筒に入れて渡すの。そしたら、大抵の先生は、よく診てくれて最善を尽くしてくれるから!と。
凄い話!と思いながら聞いていました。
その患者さんは、血液の病気で入院され、冬虫夏草を飲み、凄く良いから是非母に飲むようすすめていました。
私も半信半疑でしたが、高額な健康食品?です。母は、飲む気満々。
とりあえず、先生に相談してからにしようね!と宥め、先生に相談しました。
先生は、医学的な根拠もなく、それを飲むことによって、抗がん剤治療への影響が恐いとの見解でした。
確かに、冬虫夏草を飲んで何か体調に変化等副作用が出てしまった場合、肝心な抗がん剤治療が行えなくなると大変です。
今は、ひたすら奇跡のお水を飲み、抗がん剤治療が受けられる状態を保つ事が最優先です。
母も渋々納得?していたようです。
お部屋の方々も、身内の方がみえると、同室の人達に、お菓子等くださいます。
私も母から、隣の方からいただき物をしたから明日何か買ってきて。お部屋の人数分とよく面会に来ている家族の方の分。それはそれは、何がいいかを決めるのも大変でしたが、母もいただいたり、差し上げたりが少し楽しそうに思えました。病院内での数ヶ月、特に楽しみも無く過ごしていますから。
いただいたお菓子が美味しかった!と嬉しそうにしている事も私の気持ちが安らぐ一言でした。
担当医には、ワンクールが終わった時点で御礼を渡しました。
お金では無いとは思いましたが、気持ちです。
母は、自宅には戻らず私の家にて見ることにしました。
母の病気がわかって以来、父とは意見の相違で私からすれば、煩わしい存在に変わってしまったのです。突拍子もない事を言ってみたりと訳が分からなくて。
待ちに待った退院、荷物も随分と増えていました。必要な物を持ち込んでいた4カ月分です。
ではまた外来で!と担当医。
はい、外来でまたお世話になります!と。
看護師さんにも、長くお世話になり、それぞれに心ばかりの物を渡しました。
帰宅し、本当に嬉しそうにしている母。
今日から、夜もTVが見られるわ。病室だと、夜のTVが見られなかったからつまらなかったわ。
そうだよねー。夜中中見たらいいよ。
好きな時間に寝て、起きて、お腹が空いたら好きな物を食べ、飲んで自由に生活しようね。
ストレスの無い生活を送って欲しいが私の願いです。
桜が綺麗な季節、これから良いことあるといいな!と小さな望みを抱きながら、母との日常生活が始まりました。
続く(4/9へ)