夢は何だったかしら?
いつ見ていたろう?
将来に希望を持っていたのはいつのこと?
自分の可能性を信じていた。
気が付けば、
近所を散策したことすらない。
できるだけ近い道か、交通量が少なくて歩きやすい道を選ぶ。
そうしているうちに、
ひとつ隣の路地を歩くことさえ冒険になってしまった。
変な話、不必要な道を歩いている自分を誰かに目撃されたくない、
そんな気持ちだ。
効率化、合理化、
そういう言葉で
「無駄」を排除してきた。
選択したことで嫌な思いをすると、それを選ぶことをやめる。
閉じこもっていると、外に出ることさえ怖くなってくる。
そうして、少しずつ少しずつ、檻を狭めていく。
誰が閉じ込めたのか?
他の誰でもない、自分自身。
寄り道さえ怖くなるほど、小さく小さく生きてしまう。
だから、今更「好きなことをしよう」と思っても、
何をしていいかわからない。
自由になろうとしたのに、檻から出られなくなってしまった。
半地下の小さな窓から外を見ている感じ。
窓に近づくことさえ怖くて。
本当はね、檻なんかないんだよ。