化粧ぐらいしろ!
日曜日に叔母は荼毘に付された
お骨もたくさんあったとか
月曜日に姉を除いていとこ4人で
ランチをした
『美紀姉ちゃんには申し訳なかったけれどお金がないのでこういう家族葬しか出来なかった』
私は2人の今後の資金にお香典と言う形でなく預金をして貰いたいの
其れでお父さんに聞かれたら香典は貰わなかったと言って欲しいけれど其れでいいかな?
娘たちも納得してくれた
いとこの男性はお茶をしないで早々に帰ったのでのんびりとショッピングを楽しみながらお茶をした
そこで荼毘に付される前の棺に入った叔母の写真を見せてくれた
本当は写真禁止
分からないように撮ったとか
叔母の顔は最期のお見舞いの時の顔よりも安らかで穏やかな顔をしていた
普段からお洒落で派手ではないがスカーフの巻き方ひとつをとっても自己流ながら着こなしていた
お喋りなところはわたしに似ていて私が結婚する時は『一生独身かと思っていた』と
78歳は若すぎる
『お金がなかったのでお化粧も出来なくて、、』
紅ぐらいはさせたでしょうが
あいつはどこまで鈍いのか
姉が電話をした時も精神的に病んで体重も落ちてしまったと
おまえの事など聞いてない
娘たちが言うには叔母の定期預金も何冊か見つかり
父親も知っているので其処から色々使うのではと
叔母が娘たちに渡しておけば良かったのだ
幼心にお父さん働いたらと言ったらしい
母親と姉から娘たちの前ではあいつの悪口は言わないようにと釘を刺されていたが
ついついムカついて出てしまった
でも娘たちも叔母が昨年2回家で
意識がなくなったと聞いたときに前兆があったのかもねと
健康診断で血液検査をしていたらしいが異常はなかったとか
でも脇腹が痛みだしたときには
もう手遅れだったのかも知れない
本当に情けない
お墓は本家に、、
本家には入れないんだよ!
嫁に行ったのだから
何でも後回し後回しにするから
土壇場で困るのだ
自分が稼ぐという気持ちは微塵もない
姉も今更働かないでしょう
年金、叔母の定期預金、娘たちのバイト代を当てにしている
娘たちが嫁に行っていたら
また違ったかもしれない
私の父親が働きもせず家にいて母親に働かせていたら母親と家を出ていたかもしれない
嫌いとなるととことん嫌いになるから、、
あいつがどうなろうと皆、縁を切る
母は気丈な性格で叔母がお金の援助を何度も頼んだ時に離婚をしろと口を酸っぱくするぐらい言っていた
私もどこが良くて一緒にいるのだろうと思った
五体満足であれば何でも出きるだろう
障害がある人達でも一生懸命働いている
私が働いていた時にもお昼に障害のある人達が作ったパンを売りに来ていた
お金の勘定は出来ないけれど自立する事で親を安心させたいという気持ちもあると思う
美味しいパンだった
娘たちの長女は持病がある
お給料の半分は医者代だと、、
2人も40歳前後
あいつの面倒を見ていかなければならない
あいつも娘たちに今度は頼るだろうから、、
あいつの人生は人に頼って自分は苦労をしないでのうのうと煙草とコーヒーを飲んで一生を終える
お線香はあげたいがあいつが家にいると思うと会話をしないで顔も見たくないので早々に帰ろうかと思う