羽織紐の位置が低すぎる。



この日は袴なので、わかりにくいかもしれませんが…


もともと古着ばかりなので、サイズは様々。


羽織紐を付ける「乳(ち)」の位置も様々です。

「乳」とはこの小さな輪っか。


ここに羽織紐を結び付けたり、
羽織紐に付いてるSカンやカニカンを引っ掻けて使います。



着ない方が勿体ないので、そのまま着ていたりするんですが…


それにしても低い!

バランスが悪いので、直すことにしました。




【羽織紐の位置】


羽織紐の位置は、帯の上線と帯締めの間辺りが良いと聞きます。

(これも時代によって流行があるみたい)


つまり、この水色の矢印の位置。



普段はあんまり気にせず着ちゃってますが…




【乳の位置を変える方法】


⚫裏から目立たないように安全ピンで、引っ掻けるところを作る
(多少生地に穴が開く可能性あり)


⚫クリップ式の羽織紐にする
(最近はカニカンが主流で、クリップ式はあまり見ない…?ストール留めや、手作りとかもアリかな)


⚫乳を縫い直す

私はこれでいきます!


以下に手順を書きますが、色々なやり方があるので、一例としてお考えくださいね。





【手順】


1、着た状態で、乳の位置を確認。


理想の位置に、安全ピン等で印をします。

衿の抜き具合によっても位置が変わるので、多少上下するのはご了承。



2、左右同じ高さになるように、調節。


背中心から折って、左右の位置が同じか確認。
違ってたら、良さげな位置に合わせましょう。



3、乳の周辺を解き、乳を外します。


乳は小さいので、無くさないよう注意。



4、印をした位置を、少しだけ解きます。


乳が入るくらい開ければOK。



5、乳の先端を入れて、縫います。



出来るだけ、裏に出ないようにすると綺麗です(出たとしても、衿が返るので見えませんが)


一度、乳と本体を固定のために縫って、それから解いた部分を縫い直すと、やりやすい&強度が増します。



解いた長さより、長めに縫えば、開いてきません。


解いた糸は出来るだけ切らず、針のお尻等で中に押し込んで下さい。

切ると解けやすくなってしまいます…。



6、もともとの乳の位置が開きっぱなしなので、縫い直します。


5と同じように、長めに縫って下さい。



7、出来上がり!着て確認。






こんな感じです。



私は今回、衿を抜かずに着ているので、

抜いた時にちょうど良いよう、下目にしています。



様々なやり方あるかと思いますが、

自分のものなら、自分がやれる範囲で直してあげればいい。
プロみたいに綺麗じゃなくても、充分着られます。(ていうか、ほぼわからない)


そうやって手をかけてあげた着物は、愛着がわきますね。
だんだん、自分だけの一枚になって、自分と共に歩んでくれる気がします。



ご参考になれば幸いです!




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