ふわふわなじかん | ひめごとおかうち

ひめごとおかうち

いままでのサーバーが故障中のため、

復帰まで、一時的に、ここでHPを再開しています。

自転車でのんびり進んでいて、
道端にお財布みたいな物が落ちていたから拾った。
ちょうど長財布くらいの大きさの白い革の表紙の手帳だった。
ぼんやりとしたお休みの1日だったので、
時間がたっぷりあったから、
落として困っている人の顔を思い浮かべ、
迷うことなく、そのまま、交番に持っていった。

届けに、自分の住所を書いたりして、
おまわりさんと中身を確認。
たぶん、若い男の人の物だと想像できたが、
連絡先はすぐにはわからないようだったので、

あとはおまわりさんにおまかせした。


この持ち主がわかったら知りたいですか?
あなたの情報をお知らせした方がよいですか?
このお財布の権利を放棄してよいですか?


当然な質問をいろいろされ、紙に、丸をしていく。
いや、結構です。
それも、結構です。


それがお財布でお金が入っていたりしたら、
いろいろもっとめんどくさいことになったけど、
たくさんのことが書き込まれた本人だけが必要な手帳だったので、
持ち主が見つかっても見つからなくても、
もう私には関係のないことだけど、
もしも、と想像すると、
こんなことも縁なのだなぁ~と思った。
漫画の世界のような出逢いもできてしまうような。


稽古中や公演中はたいてい時間に追われて過ごしている。
誰かの落とし物を拾う時間の余裕もないし、

それ以前に、
たぶん、道端に落ちているものなんか気付かないかな。

心の余裕もないから、
そんな誰かのための心配りも忘れて、
そんな縁も見過ごして、

私は生きているんだな、いつも。


今、1年でふいにぽっと生まれる、お休みの時間を過ごしている。
お洗濯や掃除を、のんびりして、
夕ご飯を考えたりしながら、のんびりブランチをしたりしている毎日。
こんな時期だけは、
サラリーマンの疲れて帰ってくる旦那様を、
家事を一生懸命やりながら笑顔で待つお嫁さんが、
すごく自分に向いているような気がしちゃうんだけどね。


新宿の丸井の中のお店で店長をやっている友達がいる。
ここ3年くらいは、その友達が私の洋服を選んでくれていて、
あれとこれを持ってるから、これを買い足して、
という私のクローゼットの中身とのコーディネートまで考えてくれている。
店中の新しく入った洋服を試着したりして、

いつも楽しい時間を過ごしていた。
彼女の方は、私の芝居を彼氏と観に来てくれる。


その友達が、結婚のため、退職することになり、
私は、最後の日に遊びに行った。

花束を持って。
これからは、彼女のお店だけじゃなくて、
デパート中を見たりして、
一緒に買い物をすればいいんだと思うから、
もっと楽しみになるけど、
でも、新しい丸井になるときの大変そうな様子などを見て、
ずっと応援してきたので、
ちょっぴりさびしくもあり、
でも、おつかれさまが、当日、直接会って伝えられて、
逆に私の方が幸せな気持ちになってしまった。
誰かの新しい出発の時を見守れること。


ふわふわとした時間を過ごしていると、
ふわふわとしあわせがやってきて、
ふわふわと包んでくれる。


だから、きゅうきゅうとしたスケジュールの中でも、
怖い顔をしたりしないで、
ふわふわと生きようと思う。


あまり歩かない街を歩いて、
初めて入るカフェで、
カフェラテを飲んだり。

今まで、意識しなかったことを思ったり。
自分のことより、
もう少し誰かのことを想ったり。


白い手帳は持ち主の元へ帰ったかな。


あれもない、これもないと思うより、
ふわふわと今を過ごしてみよう。

誰かが落としたものを、
何も考えずに拾ったりしながら。

ふわふわふわふわ。

そしたら、自分がピンチの時、

たぶん、誰かが拾ってくれる。

ひととひととはそういうもんだと私は思う。


だから、ふわふわした笑顔で毎日を。 つづく


怖いくらい時間がある。(独り言)