審査発表が午後8時ごろに行われ、SNSに記事を上げた頃、雷が鳴った。激しい雨風。嵐のような。

近くに雷が落ちたらしく少しの間停電した。遠雷どころじゃない、落雷かいな。

二日後、本選には入りきれないほどの人が押し寄せ、20分遅れで審査が開始した。

しかし演奏はスムーズに始まった。
華麗な演奏に客席から掛け声も出る。

最後のコンテスタントになる。この辺りから胸がざわざわし始める。

ここまで大きなトラブル無しに進行して来た。どうかこのまま。

中国の少年のモーツァルトは素晴らしかった。音の花が咲くように。なのに最後の音が少し失敗したか。

コンテスタントが袖に引っ込んでしまった。指揮者が追いかける。最年少の彼、大丈夫だろうか。

楽器を変えた?あまり動揺した様子でも無くジョリヴェの演奏が始まる。十七歳とは思えないような思慮深い演奏。なんだか涙が出て来た。1人なのだし構わないかと思ってそのまま泣いた。

演奏が終わる。指揮者がコンテスタントの肩を抱く。終わった。安堵のため息が出る。おそらく舞台裏でも多くの人々が肩の荷を下ろしただろう。

第5回の時は発表の終了後、食堂でささやかなパーティーがあった。今回も簡単な食事会ぐらいはあったかもしれない。

小説になるような事件もドラマも無くて、天才少年もいなくて良かった。

浜コンには無いものも神戸にはある。
でも公式フォトグラファーは必要だと思う。入賞者発表のポスターが申し込み時の顔写真の使い回しって、、、どうなの。

それと、去年第9回を終えた浜コンは、先日次回の開催を発表した。神戸では最終日まで何もアナウンスがない。これだけは浜松を羨望してしまう。

音楽祭は四年後にまたお会いしましょうという言葉で締めくくられたのに。コンクールについては尋ねるのも憚られる雰囲気だった。

成功、と市長は宣言したのだが。