本題に入る前に
☆昨日アップした記事の「Monster」の歌詞の中でタイプミスがありました。
ごめんなさい!訂正しましたのでよろしくお願いします。
☆マイケルの詞を訳してみて感じだこと。
テーマやメッセージ、豊な感情表現。これらが素晴らしいことはもうマイケルの歌を楽しむ人には言うまでもないことだと思います。
そしてその素晴らしさが世界中の多くの人に伝わるのは何故か。そのことについて訳詩をしながら考えたことがあります。
それは、
マイケルの詞にはスタイル (型)があるということなのです。
どちらかといえば定型詩にちかいです。
数行毎のまとまり(連)がいくつかかさなっている。
言葉と音楽が合致している。韻を踏んでいる。(リズムがある)
倒置、省略が多いが文法的な妥当性を持っている。
論理の流れがある。
だから音に出しても美しく、詞全体を目で見たときも美しさがあります。
そしてこのような型があるということを「堅苦しさ」とは感じません。
むしろ聞く人(読む人)への愛を感じます。
文法がきちんとしていることは礼儀正しさだし、
まとまりがあることは折り目正しさだし、
韻踏み(リズム感をだすこと)などは楽しんでもらおうということの表れ。
そう感じます。
そのまま、マイケルの人柄ですね。ほんとに優しいし親切なのです。
詞(詩)の醍醐味というのは人間の喜怒哀楽をストレートに表し、伝えることができることだと思います。楽しい明るいときはいいけど、時にはネガティブな気持ちも率直に出してしまう。そんな生々しいものを出してしまうときに、マイケルはどちらかというと「出しっぱなし」にはせず受け取り手が不愉快にならないようにとことん気遣って
創作してるんだなと感じます。
ドーンと怒りを伝えてみても、どこかで「あっ、ごめんねこんな怒ってるところ見せちゃって、聞いてて気分悪くならなかったかな?こんな気持ち聞いてもらってドモアリガト。」みたいな心配りを感じられるのです。その心配りが込められたのが、上で書いたきちんとしたスタイルに則った詩(詞)の書き方なのだと思います。どんなに怒っていてもシャウトしっぱないじゃないですよね。常に相手のことを考えています。
マイケルの詞を訳すようになってからは、いろいろな歌の歌詞に興味が出て
読み比べたりします。とくに最近の詞にはあまりスタイル(定型詩的なもの)を感じません。
日本の歌の歌詞で言えば、80年代ごろまではよくみられた5・7調の詞はほとんど
ないようです。もちろん取り留めの無い感じで書いていてもとてもよい詞(散文調の詞)もあると思います。
一番大事なのはその歌手にぴったりあったスタイルがあることだと思います。
マイケルのスタイルは、マイケル自身が作詞・作曲をするようになってから自分で身につけ、長い時間を掛けて確立したものだと思います。マイケルの優しさ、清潔な生き方、そして生きることへの情熱をそのまま一貫性を持って表すスタイルがどんなものであるか、「Monster」という曲を使ってまとめていきたいと思います。
だいだいこんな感じです☆
・黒人音楽・黒人英語のリズムを守り続けつつ、あらゆる人種に受け入れられ易い語彙・発音・アクセントを身につけ、普遍的にメッセージを伝えた。
・わかり易さを裏付ける論理性、様式を持つ。
・シンガーソングライターなので音楽との整合性が高い一方、詞だけを読んでも
完成度が高い。
・同様のテーマを持つ曲(詞)を関連付け、テーマを反復することで深化し、
強く印象付ける(例:ゴースト、モンスター、スレトンドなど)
文字ばっかりの記事になると思いますが、よろしければお付き合いください♪
文法とか、音楽理論と”おかたい”ところにも足を突っ込みますが、
それは「聞く人を楽しませる」ためのマイケルのサービス精神の表れと思いながら
私も頭をひねっています。
「やっぱりマイコーすごいな!」と思いながら調べています。
細部までとことんこだわった完ぺき主義と、一つのスタイルを貫き通す姿勢。
美意識の高さ。
それでいてミッキードやナルドと溶け込むこの無邪気さ。。。参った!