水曜日の病院。

 

診察終わり、会計終わり、

 

やっと爺のお楽しみ、病院の食堂へ。

この食堂が大のお気に入り。

 

どんな食堂かって。

私の知る限り、私が初めて行った高校生の時から食堂のおばちゃんは一緒で、1回は改装してるかな。

そんな昔から病院に入ってる食堂。

たしかに、家庭的な料理で味付けも普通に美味しい。

病院の先生も利用されてる。

 

でも、病院行かない限りは、普通は行かないよね。

爺は通院じゃなくても行きたがるんだけど、どんだけ好きやねん。

 

で、

車椅子を押して食堂に着くと。

 

まさかの

 

閉鎖。

 

爺、そりゃたいそう残念がったわ。

 

あの時の唖然な顔、笑ったわ。

 

(次、引き継いでくれる人が見つかるまで閉鎖のよう。)

 

まあ、そんなとこに居れないから退散。

 

病院出て、薬をもらいに院外薬局へ。

爺、降りない!と。

足もヨボヨボだから、降りられるのも厄介なんだけど、薬局に設置してある無料のドリンクを飲むのも楽しみな爺なのに。

 

新しい薬もあって、もらうのに結構な時間を要す。

 

で、車に戻ると。

 

「なんぼ考えても、この辺は食べる所ないな」

 

 

えええーーー

食べる所を考えてたん?

って、この辺のこと、何知ってるっていうねん。

この市、家から病院、昔ながらの洋品店くらいしか行き来ないやん。

 

「ほんま、食堂っちゅう食堂ないわ。

この辺のもん(者)は食いに行かんねやろうな。」

 

私、アソコもアソコもアソコも知ってますけど、絶対に言ってやらん。

 

だって、爺と口が合わん。

「おまえ、どっか知らんのか」って言うけど、私が選んだお店を「おいしかった」と言うことはまずない。

 

いまだに、去年、爺婆とパパと4人でお寺へお参りに行った帰りに寄ったうどんを貶される。

 

「あんな、おいしーないうどん、ほんまあかんかったわ。

あんなうどん食べるくらいやったら、10円のうどん食っとる方がマシや。

もう、今度はあんな店寄らんぞ」

 

いつまでもいつまでも、そんな言い方される。

10円のうどんって・・・

って、お金を出そうともしない、いくらセルフの安いうどん屋さんとはいえ、食べさせてもらってそんな言い方出来ますか。

 

もう、私が選ぶ店、私が買ってきたもの、どれもにケチをつけるから、、、

 

前は、「これ、美味しいわ」と思ったものとか、高くても買って持って行ってあげてたけど、散々ケチつけるから、今は一切買って行かないことにしている。

買って行って文句言われるって、バカみたいやん。

 

だから、おススメのお店だって言わない。

 

「ほんまに、店っちゅう店がないとこや。(住んでる所よりありますけど)

食べるところがないから、弁当買う人が増えるんやな~」

 

ほんま、あんたが意味分かりません。

 

で、

「これは、あそこに行くしかないな。

あそこや。」

 

どこやねん。

だいたい想像はつきますが・・・

 

「どこよ」

私もちょっと怒り口調に。

 

「あそこや、あそこ」

 

シーン。。。

 

「寿司や、寿司。○○町(家の隣の町)にある寿司や。前、行ったやろ」

 

???

○○町の寿司?

そんなん、どこにあるねん、知らんわ。

○○町に寿司なんかないけどな。

分かってたけど、言ってやらないイケズな嫁。

 

その後に言ってやった言葉は

 

わからんな~

 

「お前、覚えてないんか。

わからんのか。

ほんまにーーー何にも知らんねんから」

 

知らんのはおまえやろ。

 

ラチあかんし、

「もう帰ったら?」

って言うと。

 

「いや、食べて帰る。

家に帰っても、おばば、ろくな飯作らんから、わしの食べるもんないし」

 

どこまでも、食に汚い爺。

 

「ほれ、そうよ、そう、あれよ、

あるやろ、○○町のところに」

はじめに言った町より、少々近づきつつある(笑)

 

 

しゃーないな、

 

「○ら寿司か?」

 

「そうや、そうや、それや、そこ行こか」

 

あーしんど。

それも、アホの○つ覚えといいますか、、、、

 

 

さあ、決まったとなれば、気が急ける爺。

薬局の駐車場から出る時、

 

「おい、右に行った方がええか、左に行った方がええか」

 

あんた、運転してませんやん。

ってか、家の方向ですやん。

 

帰る方向、右に行かなどうするねん。

 

もう、こういう方向感覚とかすべてにおいて鈍ってきてる様子。

 

 

車を走らせると、自分が思いついた、好きな店に行けるとでウキウキな爺。

もう、子供みたいに喋りまくる。

 

すべてひっくるめて

 

鬱陶しい

 

まだ、一緒にごはんを食べなあかんのに、すでにぐったり。

 

 

さあ、○ら寿司に着きましたわ。

えっさっさでお店に入る爺。

まあ、えっさっさといってもヨタヨタやけど(笑)

 

「車椅子も杖もないけど、歩けるん?」

「おーー大丈夫や」

 

歩けるんやん。

好きなことになると、こんなに違うんやな。

 

爺と2人でテーブルに。

さてさて、ここからどうする?

 

爺、偉そうな口叩きますけど、お寿司の種類って全くと言っていいほどわかってまへんねん。

知ってるのは、「まぐろ」「たい」「いか」。

見て分かるものは「まぐろ」くらい。

赤いからね。

 

パネルもメニューも見方が分からないから、流れてくるものしか見えてない。

昼間って、レーンではそれほど流れてこんのよね。

 

「何か注文したろか?」

「おーなんでも食べるから何でもええぞ」

いやいや、実際には魚の名前が分からん。

「鯛でも注文したろか?」

「それしてくれ」

 

だけど、この時期は桜のゼリーが乗っけられたお寿司。

 

私が「注文したろか?」と言ったものだから、やっぱり

 

ケチつけられた。。。

「これ、旨ないわ。なんやねん」

 

鯛やわーーー

 

やっぱりね。

こんなもんよ。

 

私の言うことはアテにならんと思ったのか、レーンで流れて来てた「まぐろ」を・・・

 

さてはて、何皿食べたやろ。

4皿まぐろかな。

 

で、

「茶碗蒸し、注文してくれ」

「茶碗蒸し、なんぼや?」(いっつもコレ言う)

 

うれしそうにがっついてたわ。

 

私は生しらすやらアカイカやらを食べてたら・・・

人が食べるもの美味しそうに見えたのかしら?

 

注文する時、爺にも聞いたんょ。

多分、何か分からんかったんやろうな。

「いらん」

と。

 

なのに、

「それ、わしも食べたいわ」

 

私が食べてるお皿、ほとんど、半分(1貫)は爺に。

 

嬉しくて、美味しくて、食が進んでたわ。

 

「あーーーもう腹いっぱいやゎ」

 

私は、気分わるーなるし(爺と食べることが)で、5皿・・(そのうち3皿の半分は爺やで)

 

なのに、

「茶碗蒸し、美味しかったわ。

食べるわ。」

 

えええーーー

今、お腹いっぱいって言いましたやん。

で、すでに1つ食べましたやん。

 

「えっ、なに?

もう1つ食べるの?」

 

「お。注文してくれ。

おまえはいらんか?」

 

結構ですわ。

 

2つ目の茶碗蒸しを、また嬉しそうに食べてはりました。

 

「家では茶碗蒸しなんか食べれんからな。

ここのは旨いわ」

 

苦笑い、、、

良かったな~

 

この爺、ボケてるのか?って思ったわ。

同じものばかり食べるって・・・子供みたいやし。

 

まあ、昔から、これ美味しいって思ったら、毎日買ってきてて・・・飽きんのか?ってよく思ってたけど。

 

 

でも、ボケてなかったわ。

「わし、旨いゆうても茶碗蒸し2つも食べるなんかな・・・

オモロイ話やな」

 

 

ハハハ、分かってるんやん。

 

で、食べてる時、

○ら寿司の少し向こうに○シローがある。

「向こうの(○シロー)くるくる寿司は旨ないけど、ここの寿司はやっぱり旨いな。

店の感じも他から見えんようになってて気持ちええわ」

 

???

どちらもくるくる寿司、回る寿司ですけど。。。

本気で会話してたら、ほんまに成り立ちませんわ。

賢く、「そやな~」って聞き逃します。

 

そんなこともあり、

ご機嫌さんで帰ってきましたわ。

 

これはゴチになりましたよ。

診察代、薬代、ごはん代、会計前にまとめて預かってたんだけど。

 

爺、身障者なので診察代と薬代は一定額、それに院内の安い食堂のごはん代とカツカツのお金渡されてて。。

 

○ら寿司で支払ったら、残り22円だったわ(笑)

お釣りを爺に渡そうとしたら、

「おまえ、持っとけ、ガソリン代や」

 

えええーーーー

ガソリン代にもなりませんけど。。。

 

 

こんな憂鬱な通院、今週水曜にまたありますわ。