第345回定例会 一般質問(10月2日)質問事項

質問者:村岡まゆこ(自由民主党) [発言方式:一括]

1 避難所のWi-Fi環境の整備について
2 国民健康保険の激変緩和措置について
3 県営水道の次期料金改定と今後の方向性について
4 兵庫県におけるインバウンドの取組について
(1)クールジャパンの取組について
(2)北播磨地域におけるインバウンドの取組について
5 県立学校の通学区域について

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1 避難所のWi-Fi環境の整備について


【質問者 : 村岡まゆこ】


おはようございます。三木市選出 自由民主党議員団の村岡まゆこです。
2期目も、すこやか兵庫の実現の一助となることを目指し、以下、質問通告に基づきまして、5項目6問を一括方式にて、質問致します。


 質問の第1は、避難所のWi-Fi環境の整備についてであります。


 わが兵庫県にとって忘れることのできない阪神・淡路大震災から、間もなく25年の節目を迎えます。震災からの創造的復興、震災の記憶を継承し、教訓を次なる地震への備えに活かす取組により、防災先進県としての地位を確立してきたと自負して良いでしょう。しかし、昨年の7月豪雨をはじめ、本年の台風第15号による千葉県等での災害、県内外で頻発する地震以外の大規模自然災害にも直面し、「想定を超える」という言葉の重みを改めて思い知らされます。「災害は覚えていてもやってくる」。自然災害への備えは、永遠の戦いであります。25年の節目に、改めてこの壮大な戦いに勇敢に立ち向かっていくことを、我々は固く誓うべきです。
 

 さて、近年多発する台風や豪雨等の大規模自然災害では、度重なる痛ましい被災の経験から、一般市民の間でも防災への取組だけではなく、避難行動への意識が高まりつつます。そして、避難行動の成否に左右する大きな要素の一つが、情報です。行政・公共交通機関・企業等からの避難行動に関する正確かつ迅速な情報発信が求められる一方で、住民自身が自らの身を守るために、自発的・能動的に正確な情報を収集し、正しい行動をとる必要があります。

 

 兵庫県では、本年5月より運用が始まった、スマートフォン向けアプリ「ひょうご防災ネットアプリにより、災害で避難が予想される地域の住民に対し、避難場所の地図表示等、積極的に避難情報を通知し、住民の円滑な避難行動を支援しています。また、県とヤフー株式会社との間で締結された災害協定に基づき、「Yahoo!天気・災害」上で兵庫県の河川水位情報画面を確認できるようになりました。情報発信力の向上や発信経路の充実等、これまでの当局の取組には敬意を表し、これらのツールの機能が避難行動の促進において、大いに威力を発揮されることを期待しております。
 

 しかし、こうしたツールが充実する一方で、これらが本領を発揮するためには、災害発生時や被災時、あるいは避難時において、インターネット環境、特にパソコンやタブレット、スマートファンを通しての情報収集のための環境整備が不可欠となります。避難行動の成否を左右するだけではなく、避難後の避難所での生活や避難所の運営にも大きな影響を与え、それは、災害後の復旧や復興の開始にも響いてくると予想されます。普段は有料のWi-Fiサービスを提供している企業が、災害時に限って被災者の利便を図るために無料で提供するサービスもすでに存在します。しかし、データ通信量等の課題はあるでしょうが、やはり国も積極的に推進している避難所での緊急時におけるWi-Fi環境の整備が必須でだと考えます。
 

 そこで、県下の指定避難所でのWi-Fi環境の整備状況および、今後の方向性について当局のご所見をお伺い致します。


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【答弁者 : 早金防災監】

 避難所には、避難者が安心して避難生活を送れるよう安全の確保、食事等の提供のほか、被災者の安否や、あるいは支援等の情報収集・通信が行える環境が必要であります。スマートフォンなど携帯端末が普及する中、Wi-Fiは、大規模災害で既存の携帯電話回線が使用できない時など、避難者が自ら情報を受発信する場合に有効であります。

 県では、市町向けに作成した「避難所管理運営指針」で、Wi-Fi整備など避難所での通信手段の多重化を求めています。平成28年の熊本地震の被災地でWi-Fiが積極的に活用されたという例もありますことから、国の方でも、平成29年度以降、手厚い財政措置のあります緊急防災・減災事業債の対象に「避難所でのWi-Fi整備」を追加するなど、Wi-Fi環境の導入を促進している所であります。

 県内の指定避難所のうちWi-Fiを整備した施設は、この9月末時点で365箇所ということで、指定避難所数全体の約15%にとどまっています。市町の方からは「設置費用が高い」「平時の利用機会が少ない」、また、「Wi-Fi整備よりも備蓄物資の充実を優先したい」、こういう風な声がございます。

 県では、避難者の情報収集・通信環境の向上を促進しようということから、平時から市町に対しまして、緊急防災・減災事業債や、国の補助事業であります「公衆無線LAN環境整備支援事業」の活用を進めますほか、県内市町の中には民間事業者との協定によって、災害時に携帯型Wi-Fi機器を避難所に設置しようとするような例もございますので、これらを紹介するなどによって、避難所のWi-Fi環境の整備を働きかけてまいります。なお、大規模災害発生時には、県が指定公共機関であります大手の通信事業者に対しまして、避難所へのWi-Fiの設置・提供を要請致します。

 今後とも、市町と連携して、Wi-Fi整備を含めた避難所の環境整備を進めてまいりますので、ご支援をよろしくお願い致します。


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●〇● 解説 ●〇●

 

 避難所でのWi-Fi(インターネット)環境の整備について質問しました。

 これは、地元住民の方からご要望頂いた内容で、三木市議会の9月議会でも、取り上げられたようです。

 

 早金防災監のご答弁にもありますが、「平成28年の熊本地震の被災地でWi-Fiが積極的に活用されたという例」があります。避難者の多くは、スマートフォンで情報を収集したり、発信したり、家族や関係者と連絡を取ります。

 

 その有用性は、行政も大いに認めるところですが、では実際にWi-Fi環境整備へ…となると、予算や他の防災対策との優先順位の都合もあり、なかなか進んでいないのが実態でした。

 

 国の方でも、財政的な支援メニューがあるので、市町の避難所のWi-Fi環境整備を促進するためにも、この支援メニューを今後も継続して予算確保していただけるよう、県議会としても国に要望してまいります。