「働き方改革」という言葉を、報道でよく見聞します。働く時間の問題ことなどが良く指摘されていますが、職場での業務の効率を上げて、生産性を高める事も、働き方改革の一環だそうです。

 先日、県の幹部の方が、とある会合のご挨拶の中で、とても興味深いことをおっしゃっていました。それは、県幹部として議会に対する感謝でした。

 県庁では、①予算編成、②人事、③本会議、の3つの時期については、職員の業務が集中し、どうしても帰宅が夜遅くになる。深夜になっても多くの部署の部屋に灯りがついており、県庁は『山手通りの不夜城』とも呼ばれてきた。しかし、議会での代表質問・一般質問の事前通告の締め切りが1日前倒しになり、答弁のために資料を調べる職員も答弁に立つ幹部もゆとりを持って対応することが出来るようになり、定時に業務を終えることが出来るようになった。こうした改善も働き方改革の一環だと考えるが、議会の配慮には本当に感謝している。

 以上が、ご挨拶の要旨です。本会議で質問に立つ場合、質問原稿が完成したら、「この内容で質問を行います」という通告書を作成し、議長あてに提出し、本会議場での発言の許可を頂きます。質問原稿も所管の部局に送り、答弁の準備をしてもらいます。「前もって質問内容を教えるなんて…」というご意見があるかもしれません(※質問の事前通告制度の在り方に対する私の見解については、また別の機会で書かせて頂きたいと思います)。いずれにせよ、議員にとっても質問原稿を作成するのは大変な作業なので、質問通告の締切は遅い方がありがたいわけで、質問通告の締切の前倒しは辛いものがあります。

 ただ、働き方改革の推進に旗を振るべき行政が、それを遵守出来ない体制では、背遠く力に欠けるのではないでしょうか。そういう意味では、議会の行政に対するこの協力は、各段大げさなことではない、ちょっとした工夫と配慮の範囲で、当然のことだと思います。大切なのは、「職員の健全な職場環境づくり」と「県民のくらしづくり」をしっかりと両立させることだと考えます。目の前の業務目標を達成するために、職員が残業続きで心身の不調に陥っては、本来の目的である「県民のゆたかなくらしづくり」には、貢献できないでしょうか?

 目標と目的をしっかりと見極めて、県の事業や事務の生産性や効率性を高めることを求めつつ、県民の生活の向上を実現できるように、しっかりと県議会もチェックと連携を行って参ります。
 

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