「ナメんじゃねぇーぞ このヤローーー!!」
そう翔に怒鳴られ、瞬間的に翔から離れた私は
咄嗟に反対方向へと歩き出し
翔の方を1度も振り返らず
1番近い駅へと向かっていました
翔は追いかけてはきませんでした
半ば呆然と
ただひたすら私は歩いてました
そこに悲しみや怒りはなく
強いて言えば1番近い感情は
「失望」でした
「ナメんじゃねぇーぞ このヤローーー!!」
頭の中で何回もリプレイされる翔の罵声
そして物凄い形相
あれがついこの間まで、私に甘い言葉や愛の言葉を囁いていた男なのか
そして私はそんな男についさっきまで恋心を抱いていたのか
初めて会った時に交わした言葉や翔の笑顔と
さっきの恐ろしい形相の翔とはとても同一人物に思えませんでした
駅に着いて改札口を入った時に
不意に私の頭にあるワードが浮かびました
“サイコパス”
それは知っている言葉ではあったけど
どんな意味なのかは今までは知りませんでした