初練習が終わり、正式に彼氏彼女となった翌日も、LINEの会話は特別感はなく、いつもと同じような感じで始まりました
私は、ズルいとは思いましたが
今彼にはもう少し落ち着いてから本当の事を打ち明けるつもりでいました
昨日の翔を見ていて、少し不安に感じる所があったからです
とは思いながらも、その週の休日に私と翔は映画を観た後に食事をする約束をしていました
映画はその当時まあまあ話題になっていたもので、翔の好きな女優が主演でした
映画のチケットは翔が前もってネットで購入してくれていたので
私達はその日はまず、翔が用事があるという店の前で待ち合わせをました
翔は初めて会った時とは何だか違って見えました
翔は男性にしてはかなりスリムで、背もそんなに高くないためか、ルックスは派手なだけに何だかちぐはぐで全体的に貧相に見えます
それにいつも無表情でした
今日は初めての休日デートなのに、ちっとも楽しそうには見えません
翔は今日も車で来ていたので、劇場まで車で行きました
車を降りると翔は無造作に自分の腕を差し出し「ほら」と言って、腕を組むように促してきました
翔という人は無愛想だけど、2人で歩いている時は手を繋いだり、何かしらスキンシップを取りたがる人です
私は照れがあったので少しだけ間を開けただけなのに
「何だよ 嫌なのかよ」
と不機嫌に言われてしまいました
「そうじゃないよ、ちょっと腕組むの久しぶりだったから恥ずかしかっただけだよ」
私はそう言って翔の腕をとって一緒に歩き出しました
何だろう…デートなのに全然テンションが上がらない…
腕組んで歩いてても、全く会話はありません
私達なんで会ってるのかな…
何だかおかしな雰囲気の中、劇場に到着
あれこれ考えても仕方がないので、今は映画を楽しむ事にしました
かなりの人混みの中、映画上映まではまだ30分ほど時間があったので
オープンスペースでお茶をしようという事になり、私が翔の分も一緒にホットコーヒーを買ってきました
翔は私にお礼を言うでもなく、こんな事を言ってきました
「今日はオレが映画のチケット買ったんだから、晩メシは奢ってな」