みなさん、こんにちは!
本日の「きっかわみきの物語」部分公開は、
「青い眼をもった木」からです。
この物語は、お話の中の「私」が、昔、大切な人から
読み聞かせてもらった「青い眼をもった木」という物語がどんなお話だったかを語っていくという物語です。
そしてその「青い眼をもった木」という本は、
とても不思議な本で、実は生きている本であり、
読み手の気持ちを察して、それに反応するという本だった・・・・。
なんとも摩訶不思議な本なのですが、
では本日はそのようなくだりの部分から・・・・・☆
さて、肝心なことが後回しになってしまいましたけれど、私はその幼き日にこの『青い眼をもった木』の本を、ソウゲン老師という方から読み聞かせてもらったのでした。
私は初めて聞いたその時からこのお話に大層興味をそそられましたので、随分と何度もこの物語を老師に読んでもらうよう、せがんだものでした。
そして何年か経ってからのことです。
おそらく老師は「その時が来た」と判断されたのでしょう。
「そんなにこの物語が気に入ったのなら……」ということで、老師はその本を私に下さったのです。
「この本は特別な本だよ。なぜならこれにはとても大切なことが書いてあるのだからね」
そう言われて手渡されたのでした。
そして、です。驚くことはまさにその時から始まったのでした。
その本は表紙以外に全く挿絵が無く、文字だけであることは申し上げましたが、どういうわけか物語の文中の「眼」の文字のところだけはどれもこれも青の色がついていました。
「眼」、こんなふうにです。
そして本をいただいて間も無くのこと。
何と、私はこの本は生きている本なのだと気付いたのです。
それが分かったのは、この青色の「眼」の文字ゆえでした。
と言うのは、この「眼」の文字の青色加減は読む時々によって、そう、実際に変化したのです。
たとえば「眼」は群青に近いようなとても深い青色になったこともありますし、透き通るような浅く淡い青色になったこともあったのでした。
おまけに場合によっては、何と言うことでしょう。
「眼」の文字が瞬間グルっと回転したり、「眼」は燃え盛る赤色になって怒りの炎を噴き出したりもしたのでした。
それはそれは最初は子ども心にも我が目を疑い、驚いたものでした。
そしてそれから少し経つと、どうやら、本を開いただけでは「眼」の文字は変化しないが、木の物語に心を澄ませて没入してゆくと「眼」の文字がみるみる変わり出す、ということにも気付いたのです。
この本とは暗黙のうちに対話できる。
そして、本の中の木と対話できる。
青い「眼」と対話できる ────。
私がいつからか、いつも木に見られていると思うようになったのも、実は木の印象が観音さまや仁王さまになぞらえて感じられたこともありましたが、何を隠そう、実際本が、本の中の木が、そして木の眼が生きていることに気付いたからでもあったのです。
さて、みなさん、本日はここまでですが、
「眼」の文字の色が、ここでは青になっていますよね。
ところが、この物語は、
お話の箇所によっては、同じ「眼」でも青色の部分と
黒色の部分とがあるのですね。
そしてさらに、同じ「め」でも、「眼」になっている部分と、「目」になっているところがあります。
これは意図的に、著者である私が使い分けて、
それぞれに意味をもたせているのです。
みなさんは、「目」と「眼」、黒と青、どのような使い分けだと想像されるでしょうか?
ところで、ところで・・・・。
この「眼」に関しては、読者の方から、この物語を
読んでいると、本当に青の色が読む日によって変わった、
とか表紙の木のイラストに「眼」が見えた・・・とか、
いろいろ不思議な驚きの体験の報告を聞いております。
本は読み手の想像の世界であらゆる方向にふくらんだり
しぼんだりしますから、きっと、本とその読者の方が
何か共鳴し合われたのでしょうね。
そしてこれ以外にも、この物語には、私が実体験した
不思議な出来事もストーリーの一部になって、
盛り込まれています。
いずれにしてもファンタジーの形式をとって、
「いのちの法則」と「ほんものとはどういうものか」について
書かれている本ですので、
これからもご愛読の程、お願いいたしますね。
それではまた・・・・
皆さま、今日が改めて、
生きていることの不思議と喜びをかみしめられる一日と
なりますように・・・・☆
書籍「青い眼をもった木」(電子書籍・単行本、両方あり)
⇒ http://miki-kikkawa.com/books/book2.html