みなさん、こんにちは!
本日の「きっかわみきの物語」部分公開は、
「青い眼をもった木が見た夢」からです。
あることをして罪悪感に打ちひしがれている龍に対して、
阿弥陀さまが優しく語って聞かせるシーンですよ。
それでは・・・☆
それは龍があなたに諭される前の出来事でした。
あのおっちょこちょいの龍は、玉の色を金色にすることこそできなかったものの、二度か三度でしたが、何かの拍子に玉をドス黒くして、おまけにその玉から気持ちの悪い煙を吹き出させてみたり、また玉の表面に腐ったトカゲのような屍骸の絵を描いて、まるでそれが本当に中に封じ込められているかの如く見せかけ、「俺様に逆らう奴は、みなこうなるのさ」と言って遊び半分、仲間を脅したりしたことがあったのでした。
するとどうでしょう。
本人の龍は、まさか仲間がそこまで真に受けるとは思ってもいなかったのでしたが、その気味の悪い玉を見た仲間の龍の中には、それで気絶し、まっさかさまに墜落していったものや、恐怖心から頭がおかしくなったものなどが出たのでした。
青い眼をもったあなたに出逢ったのは、その直後のことだったのです。
龍はあの時、あなたに諭されながら反抗的な態度でしたけれど、実はあなたの言葉がとてもこたえていたのですね。
それに抱えていた玉がみるみるうちに重くなって耐え切れなくなり、龍が大音響の悲鳴と共にまっさかさまに落ちていき、地面に激突寸前であなたに抱きかかえられて助けられた時、龍はいよいよあなたの誠心誠意なることを悟ったのでした。
以後、龍は自分がどれほど仲間を傷つけてしまったことかと、それはそれは罪の意識に責め立てられて苦しんできたのです。
思うに、そこまで自らの姿を省みたというのも、あなたの青い眼の強く清らかな光を龍が浴びたからでもありましょう。
私はいつ龍がそこから清々しく立ち直って、新たな一歩を踏み出すかと見守っておりましたけれど、どうでしょう、龍はずっと自分が犯してしまったことを回想しては、自分を責め苛(さいな)むばかりで、結局自分の中に閉じこもったきりなのです。
こうなるともはや反省も度を越し、自らを傷つけているとしか申せないでしょう。
そんな龍に青い眼をもった木のあなたから、是非伝えてもらいたいのです。
もはやそれ以上苦しみ、自分を責める必要はない、と。なぜなら心底、悪かったと思えた時に、それは私阿弥陀の台(うてな)の中にあるからなのだ、と。あなたはそれ以上自分の罪を責め苛(さいな)まなくても、既に私はあなたの為した悪をまるごと
引き受けている、と。
そしてあなたが必死で救いを求める時には、私はあなたを温かく包み、その為した悪を
浄(きよ)め、溶かし始めているのだ、と。
青い眼の木のお方よ、どうぞよくよくあの龍にお伝え下さい。あなたはもう、既に許されているのだと。そして併せて伝えてほしいのです。
私はすべてを許し救う存在として、そのためにこうしているのです、と。私はあなた方のようなものがいてくれるからこそ、その真価が発揮される存在でもある。私はいつもあなたと共にいる。だから再び前を向いて、清々しく進みだすのです、と。
さて、みなさん、この阿弥陀さまの言葉、語りかけ、
いかがだったでしょうか?
私たちはついつい、終わったことをいつまでも
くよくよ考えたり引きずったりしがちですし、
この龍同様、罪悪感のまま
次に進めないこともありますよね。
阿弥陀さまの言葉、本当に心強いですね。
そして特に最後の「あなたはもう、既に許されているのだと。そして併せて伝えてほしいのです。私はすべてを許し救う存在として、そのためにこうしているのです」
とは意外であり、新しいことを知ったように感じられた方も
多かったのではないでしょうか?
この宇宙には広大無辺の慈悲慈愛が満ち満ちているようです。
ところで・・・、この後、この物語では大変なことが起こるのですよ。この言葉を身勝手に解釈する人間が出てくるのですが、さて、それに対しても、阿弥陀さまはどのように答えていかれるのでしょう?
何が起こるのか、想像してみて下さいね。
それでは・・・
今日もみなさま、すがすがしい一日をお送り下さい。
書籍「青い眼をもった木が見た夢」(単行本・電子両方あり)
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