みなさん、こんにちは!

本日の物語の部分公開は、

「続・金色(きん)の耳」の

「ボタン雪」の章からです。


上巻の「金色(きん)の耳」は、

変わった姿で誕生した<花>のつぼみが

周囲の様々な生き物に

「私って何?」と問いかけていく物語でしたが、

本日、部分公開の

下巻の「続・金色(きん)の耳」では

変わった花を開いた<花>が、今度は、

「なぜ生き物には悲しみや苦しみがあるの?」と

問いかけ続けていくという物語です。


さて、その中の一つ、

「ボタン雪」は<花>の問いかけに、

何と答えるのでしょう。



<花>は、ボタン雪に

語りかけました。

「ねえ、ボタン雪さん。

私はある生き物から

この姿のことを笑われて、

とても辛かったの。

私って

そんなに変っているかしら?

 それに・・・、

他にも苦しんでいる生き物を見たわ。

アメンボウさんや

イチョウさん・・・。

どうして・・・、

どうして生き物には

苦しいことや悲しいことが

あるのかしら?」

 

ボタン雪は、答えました。

「まず、あなたが

変わっているかどうか、

ということですけれど・・・。

確かに、

珍しい姿ではありますわ。

でも、だからと言って、

笑いものにするのは

いけませんわね。

それから・・・、

生き物にはどうして

苦しいことや悲しいことが

あるのかということね・・・。

それは、多分

こういうことではないかしら。


私は前に

お話したことがあるでしょう。

いのちあるものは、

皆、旅人だと。

旅の途中では

いろいろなことが

“現れては消え、

消えては現れる・・・”。

嬉しいこと、楽しいこと、

苦しいこと、悲しいことなど、

いろいろなことが現れては消え、

消えては現れる・・・。

それが旅。

そして旅人は、

そのいろいろなことを

通り過ぎていく者・・・」


「いろいろなことが

現れては消え、消えては現れる・・・。

それを通り過ぎていく・・・」

<花>がつぶやくと、

雪は続けて言いました。

「そうですわ。

そしてその現れては消え、

消えては現れることのお陰で、

あなたは何かに気付いて、

何かを学んでいく。

きっとその気付きと学びが、

旅というものなのですよ」



さて、みなさんは、

このボタン雪の言葉を、

どのように感じられたでしょうか?


そして実は物語では、

ボタン雪から<花>へ

愛ある言葉、励ましの言葉が

まだまだ続きます。


私はこの物語を、

縁あって読まれた方が、

少しでも気分が変わったり

新しい見方を得て

視界が明るくなってもらえれば

嬉しいなあと、

そんな思いで執筆し、

出版しました。


みなさんが、

「生き物には、どうして

悲しみや苦しみがあるの?」と

たずねられれば、

どのようにお答えになられるでしょうか?

物語の中では、

私は様々な生き物に

私自身の答えを託して

会話させております。


それでは皆さん、

今日もどうぞ素敵な

一日をお過ごし下さいね☆

~続く~





続・金色の耳


http://miki-kikkawa.com/books/golden-ear-4.html