東北の旅レポートその2。

 

大船渡では、「おはなしころりん」の活動見学もしてまいりました。

 

「おはなしころりん」(略称ころりん)は、

震災前から、読み聞かせを中心に活動していて、

元々はボランティア団体だったんですが、最近、NPO法人になりました。

 

震災から約2週間、まだまだ混乱が続く中、

ころりんが読み聞かせをすると、子供たちが喜んで駆け寄ってきたそうです。

 

その後、避難所→仮設住宅で読み聞かせをすることで、

知らない人どうしだったところにコミュニティを作り、

また、読み聞かせの方法を大人に教える事により、

"支援してもらうばかり"な事を辛く感じていた方が

「子供たちが楽しんでくれた!」と喜び、心のケアになりました。

(「やってみっぺし読み聞かせ」という活動です)

 

代表の江刺由紀子さん。

アクティブでリーダーシップのある素晴らしい方で、

来月には海外の国連の会議で講演をされます。

 

この日は、大船渡の「リアスホール」内の図書館で活動が行われました。

震災前に建てられた行政施設。震災後は7月頃まで避難所になりました。

 

打ちっぱなしの壁がオシャレな、キレイで新しい図書館。

 

今回は図書館内の小部屋で「おはなしパレード」が行われました。

子供向けの読み聞かせイベントです。

 

メンバー最年長、80代の女性が絵本を読んだり、

 

江刺さんは、"手遊び"を教えてくれました。

子供たち、とっても楽しそうでしたよ。

そして、子供たちの笑顔を見て、大人も楽しそうでした。

温かい空間です。

 

 

大船渡は、この平成28年度は"移動の年"になるそうです。

来年3月末までに公営住宅(被災者向けマンション)の約8割が完成し、仮設住宅は約6割が撤去。

まだ仮設に住んでいる方もなるべく公営に移るよう、市が積極的に呼び掛けています。

 

特に学校の校庭にある仮設住宅が撤去されるもよう。

これは、震災の年に小学1年だった子が卒業前に校庭を使えるようにするための施策です。

撤去になる仮設にまだお住まいの方は、撤去されない4割の仮設に集約されることになり、

やはり"移動"しなければならない、ということです。

 

これは被災地の中ではとても早い。

まだまだ仮設にお住まいの方が多い市町村もたくさんあります。

簡単に言うと、復興が進んでいる、のですが、問題はあって・・・

 

一つは、公営住宅でまた新しいコミュニティを作らなければならない、ということ。

高齢者の孤独死もふせがなければなりません。

 

"ころりん"は、積極的に公営住宅の集会所にお邪魔して、

「お茶っこ」(方言でお茶会のこと)をしているそうです。

それも、仮設の時のように、全てをやってあげるのではなく、

住んでいる方が積極的にお茶っこできるよう、準備や片づけを一緒にやってもらうそう。

 

震災後、全国からボランティアやNPO法人が被災地に来ましたが、

そのほとんどが解散したり元の場所に戻っている中、

地元の方が地元のために活動しているのは、とても心強いことです。

 

 

また"ころりん"は、被災地の他の読書ボランティアと情報共有したり、手伝い合うために

ネットワークを組もうとしています。

 

 

こういった"ころりん"の活動は、一つの被災地での問題解決モデルになると思うんです。

大震災が起これば避難所ができる→避難所で読み聞かせをする

仮設住宅にバラバラに移動する→お茶会や読み聞かせでコミュニティを作る

公営住宅や新居にまたバラバラに移る→またコミュニティを作る

 

日本はどこで震災が起こってもおかしくない、

熊本でも、どこでも、仮設や公営で知らない人どうしになる、という問題は起きるでしょう。

 

"ころりん"の活動が、もっとたくさんの人に広まるように、伝え続けていきたいと思います。

 

*おはなしころりんブログ

http://ohanashikororin.blog.fc2.com/

*おはなしころりんフェイスブックページ

https://www.facebook.com/ohanashikororin/

 

 

(旅レポその1はコチラ

http://ameblo.jp/miki-gonohe/entry-12153994828.html )