母の看病時代に、もう一つショックだったこと。
母は自分の生命保険を、勝手に解約していたんです。
それも、自分の買い物したさに。
母は子宮がんだったので、入院費などの保険料を請求できるはずでした。
それが、いざ請求しようとしたら、数年前に解約されていたんです。
これはかなりのショックでしたね。
治療費と入院費は、私の想像以上の金額でした。
母はお構いなしに個室で入院してましたから。
頼むから4人部屋とか6人部屋に移ってくれと頼んでも聞く耳持たず。
それまでの買い物したもののお金や、変な金融で借りていたお金もあったし、それを返しながらの治療費や入院費。
かなりの負担でした。
この頃が一番、私の心がすさんでいたかもしれません。
看病のしんどさと、お金の悩み。
母に対する恨みと怒り。
「早く解放してほしい」と願ったことも、何度もありました。
お金の話だけをすると、母の死後、弁護士さんに相談して「高額医療費制度」という救済措置があることを聞き、それに申請することで、私は約半分の負担で済むことになったんですが、それでも借金は借金です。
それ以前の借金を合わせると、800万円以上になっていました。
弁護士さんは「自己破産という選択肢もある」と言ってくれましたが、私は返済するほうを選びました。
母にからむ借金を全部返せたのは、私が40歳のときです。
つづく。