スマホのメモを見返していたら、昔書いたイリスの取扱説明書が出てきました笑
実家に預けた時に、家族に送ったものです。
13項目ある中から特にイリスならではの部分をご紹介します。
後ろから持ち上げると噛まれます
自分から寄ってきた時以外はそっとしておいてください
触るときはイリスの視界に入る位置から、そーっと頭を撫でるだけ。最初から口周り、足、体は触らないでください
このくらいなら、触られるのが苦手なわんちゃんなのかな〜くらいですが、さらに注意事項が細かくなってきます。
撫でてほしいときは近くに来て、目が合うと尻尾を振ります。
でもただ匂いを嗅ぎに来ただけの場合もあるので、まずは触らずに様子を見てください。
もはや罠ですね笑
さらに、
名前を呼んでも目を合わさない、その場から固まって動かないときは触ると噛まれる可能性が高いです。緊張している時なので近づかず知らんぷりしてください。
邪魔なところにいて困ったときは、おやつで釣ってイリスから動くようにしてください。食いしん坊なのでおやつには必ず反応します。
※無理に動かそうとすると噛まれます
噛むというのは甘噛みではなく、身に迫る危険から逃れるための本当の噛みです
普通に血も出ますし、テリアは歯も強く大きいので、噛まれなくても当たっただけで大きな内出血になります
なぜこんな説明書が必要なのかというと、やはり育った環境が大きく、頑固さ、警戒心の強さというテリア気質も影響しています。
普通の犬と同じように接すると確実に噛まれてしまうので、当時このように細かな説明書を作ったんですね。
イリスがうちに来てすぐ動物病院の先生に診てもらったとき、「この子はペットショップから初めて外に出た子犬と反応が同じですね。」と言われました。
5年も生きてきて、赤ちゃんも沢山産んでいるお母さん犬なのになぜ?と初めは思いましたが、考えたら当たり前のこと、、
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お母さんをしてた頃のイリス。
イリスは元繁殖犬
犬の扱いはブリーダーさんによって様々なのでみんながそうではありませんが、基本的に繁殖犬は普通のお家で飼われる犬たちのように、一緒に寝たり、遊んだり、散歩に行ったりはしません。
あくまで繁殖するための犬なので、ペットではないということ
イリスもそのように育ってきたので、人から愛をもらったことも、他の犬と遊んだこともないと思います。
毎日ケージの中で過ごし、建物から外の世界へ出る時は交配させる時。
ケージごと車に積んで移動するので、外を歩くことはありません。
唯一の楽しみはごはん。
だからとっても食いしん坊です。
心と頭は赤ちゃんのまま、5歳まで子供を産むことだけを経験して生きてきたんですね。
出会った頃は筋力もなく、坂道や階段が登れませんでした。
フカフカのベッドを用意しても、なぜかトイレシートの上で寝ていて、「あぁ、5年間そこで寝てたんだな」と感じました。
イリスにとって私たちが普通と感じている世界は、音や刺激に溢れていて怖いものだらけ。
人と関わるのは、交配や伸びた毛を丸刈りにする時だけなので、後ろから体を抱き上げようとすれば、押さえ込まれて何かをされると思うから怖くて噛んでしまう。
ワガママで噛む子だったら、単純に噛むのはダメなことよ!としつけをすればいいのですが、イリスはそうはいかず、『誰もあなたを傷つけないよ』と教えることから始めました。
初めは前足を触って「抱っこするよ」と声をかけて、これから何をされるのかを理解してもらい、イリス自ら膝に前足を乗せてもらってから抱っこをする。
これならイリス同意のもとで抱っこしているので噛まれません
今ではUP!と声をかけると膝に飛び乗ってくれるようになりました
イリスと出会ってからの2年半で何十ヵ所も噛まれて私も傷だらけになりましたが、一緒にスクールに通ったりしてイリスとともに成長し沢山のことを学びました。
5歳までのことを考えたら切なくなりますが、
イリスは私たちと出会い、新しい世界が広がりました。
これからもいっぱいの愛で包んで行きます
過去は今に大きな影響を与えますが、それよりもこれからをどう生きるかがもっと大切。
イリスは私の教科書です
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arimura_miki
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