福山雅治ライブレポ@Rolling Stone Japan誌 | 美樹のブログ from 湘南

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★★★身近なスターの顔と表現者の声が融合、福山雅治ドーム公演ライブレポ

丁寧に1曲、1曲を追って、MCを追って
紋切り記事ではなく、
ライターの方、ご自身に沸き上がる気持ちで書いてくださってる記事💕

※※※※※※記事冒頭※※※※※

本公演は福山が2018年1月から4月にかけて行った3年ぶりのアリーナツアーと、5月に行ったツアーを合わせた2018年上半期のファイナル公演。会場はもちろん超満員。

17時5分。会場が暗転。そのとたんにオーディエンス全員の手拍子がドームに鳴り響きだす。それだけで、正しいエネルギーが会場に満ちている感じがして、気持ちが上がった。ほどなくしてステージに福山とバンドメンバーが登場。福山はバンジョーを弾きながら、早くも会場の真ん中にあるセンターステージにむけ花道を歩き出す。

※※※※※中略※※※※※

ユーモアを交えて福山はこう話す。「このバルーン、正直お高いです。でも、これで360度みんなに近づけます」と。この話を聞いて、福山のライヴの魅力の一つが分かった気がした。

福山はソロでドームを満杯にしてしまうほどのスターなのに、ライヴを観ていてその距離がすごく近く感じるアーティストだ。バラードはまるで耳元で歌ってくれているようだし、傷を癒すための曲は手を取り歌ってくれている感じがするし、応援ソングは本当に背中を押してもらっている感じがする。それくらい距離が近く感じる。

※※※※※中略※※※※※

・・・・
そして夏歌3曲目の「あの夏も 海も 空も」では映像の仕掛けで、歌の主人公が列車に乗っている演出がされた。で、その映像を観ていたら、主人公はどこかに行っているのではなく、こちらに向かって来てくれているのが分かった。こちら側に来てくれているから、その歌が身近に聴こえるし、聴き手のこちらもじっとしたままではなく勇気を出して、新しい一歩を踏み出そうと思えるのだ。

4曲目に行く前に、動く列車とは違う映像が流れた。過去の夏の映像で、すぐに福山の故郷・長崎の映像だと分かった。映像はどんどん時代を遡って行った。時代は遡っても、映像の日付は8月9日で、場所は長崎だった。そして「自由も平和も当たり前ではない」という言葉が映し出された。

福山自身も「平成最後の夏がやってきます」と短く言葉を紡ぐと、「クスノキ」という歌を歌いだした。この歌は故郷・長崎の被爆と核の世界を綴った曲だ。MCでこの歌について、あるいは原爆について語ることはしなかったが、この歌は言葉で語る以上の何かをドーム満員のオーディエンスに伝えた。福山は身近なスターというだけでなく、表現者として大切なメッセンジャーという役割もしっかりと果たしている。

※※※※※中略※※※※※

来年、福山は50歳になる。表現者としてこの先、どんな作品を残して行くべきかを考えても不思議ではないし、そうした心境が曲に出ているのかもしれない。そのへんはもし機会があればインタビューで本人に聞いてみたいと思った。「友よ」から始まり「Dear」で終わった本編後半は、福山というアーティストがまだまだ深化する予兆にも感じた。

※※※※※中略※※※※※

演奏が終り、16人のメンバーを一人ひとり紹介する福山。だが、オーディエンスの拍手は鳴りやまず、Wアンコールへ。Wアンコールでは「少年」をアコギ一本で歌った。途中、オーディエンス全員の拍手が「パチンパチン」とドームにこだました。その音はまるで心臓の鼓動のようだった。その音とともに歌う福山の歌は、どこまでも優しく、それでいて力強かった。

平成という時代も来年で終わる。そんな新しい時代に活躍が目されているのが、AIだ。音楽においてもAIの参入は確実に進むはずだ。では、生身の音楽家とAIの違いはどこか? 作家・平野啓一郎は生身の作家とAIが作り出す物語の違いを「感動」と言い切っていた。感動……随分と手あかのついた言葉だが、素敵な言葉だ。

公演時間3時間、全25曲の福山の本公演を体感して、心に残ったものをもし一言で表現するなら“感動”だった。そして、帰路につくオーディエンスの顔からも同じものを感じた。福山の音楽を22世紀に残したいと思った。

Joe Yokomizo | 2018/05/30 09:10

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ローリングストーン日本版シニアライター/ラジオDJ/構成作家/文筆家/インタビュアー/MC


1968年生まれ。早稲田大学卒。

雑誌「Rolling Stone 日本版」のシニアライターとして、国内アーティストのインタビュー記事をほぼ全部を担当。他誌でもインタビュー記事などの連載もありインタビュー数は年間で150ほど。
またFMを中心にラジオDJ・構成作家として数々の番組を担当。
現在のレギュラーは、InterFM (東京76.1MHz 名古屋79.5MHz)『THE DAVE FROMM SHOW』(月~木19:00-21:00)
InterFM『Are you Rolling We are Rolling 』(毎月第二土曜22:00-23:00)
イベントMCとしてもFUJI ROCK FESTIVAL、中津川THE SOLA BUDOKAN他
数々のMCを担当。
著書に『FREE TOKYO』(SPACE SHOWER BOOKS)他がある。


@RollingStoneJapan|著者ページより

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