これは、一人の少女の話。
少女は孤独だった。
人という生き物が嫌いだった。
もちろん、少女自身も。
信じることが出来なかった。
疑うことしかできなかった。
少女は、誰にも頼ることが出来なかった。
その原因は、少し前に遡る。
少女には、大切な人がいた。
まだ人を信じることが出来ていた頃。
恋人と呼ばれる男に、少女は現実を知らされた。
ある時、心を傷めていた少女は、男を頼った。
話を聞いてほしかった。
優しく撫でてほしかった。
少女は自身の醜い部分を、男に受け入れてほしかった。
しかし、男は言った。
“そんな話聞きたくない”と。
“めんどくさい奴だな”と。
少女は泣いた。
ただ泣き続けた。
受け止めてもらえると思っていた。
信じているからこそ見せた、弱い部分。
それなのに、男は少女を突き放した。
それから少女は、あまり笑わなくなった。
周りの人間を偽善者と決め付け、
本当の自分を見せることをやめた。
やはり少女は、強がっているようで、とても弱かった。脆かった。
独りを選んだ少女。
その理由は、嫌われるのが怖かったから。
突き放されるのが怖かったから。
だから、最初から、誰も寄せ付けなかった。自分から寄り付かなかった。
そんな時、ある男の存在で少女は変わる。
男は他の人とは違った。
どんな冷たくしても、嫌わなかった。そばにいてくれた。
しかし、男は少女の醜い部分を引き出す事が上手かった。
少女はつい、口を滑らせる。
“嫌われるのが怖いの…”
男は黙って話を聞いてくれた。
最後まで、真剣に。
気付くと少女の顔は、涙でぐちゃぐちゃだった。
枯れたと思っていた涙。
でも、涙が枯れるなんてあり得なかった。
独りを選んだ少女は独りが嫌で仕方なかった。
寂しかった、苦しかった。
だけど、誰を頼ればいいかわからなかった。頼れるほどの人物がそばにいなかった。
しかし少女は思った。
“この人なら、信じられるかもしれない”
それから男は、少女の恋人となった。
少女は試すように自分の醜い部分を晒した。
嫌われるのは怖かった。
だけど、嫌われるなら、まだ曖昧な気持ちのうちに。
男はどんな醜い部分も受け止めてくれた。
“苦しかったね、寂しかったね、よく頑張ったね”
ずっと誰かに言ってほしかった言葉。
ずっと誰も言ってくれなかった言葉。
気付くと少女は男を信じることが出来ていた。
気付くと少女は、男を愛していた。
気付くと少女は、男がいなければダメになっていた。
“愛しているよ、ずっと…”
【これを読んでいる貴方へ。】
