付き合って1年の彼から
手紙が届きました。
今日で付き合って1年。
あっという間だったね。
ということで、
今日ぐらいは真面目に手紙でも書こうかと思った次第です。
おれにしては珍しい試みだけど。
とはいえ何から書いたらいいんだろう。
そういえば、
「スーツ以外のときは会わない」
とか言うのやめてほしいんだけど…。
って、わざわざ記念日に書くようなことじゃないな。
別の話から入ろう(笑)。
この前、結構激しい喧嘩になったよね…。
会話の流れで、
美樹が
「好きな人できたら別れていいからね」
って言ったんだよな、おれに。
それでおれが怒った。
美樹は、
別れても自由が手に入るし、
おれの代わりもたくさんいるって思ってるよね。
美樹は何気にモテるし。
その余裕というか突き放したところが、
おれからするとイラっとするんだと思う。
おれのことはどうでもよさそうというか…。
美樹って、
精神的にはかなり成熟していて、
それでいて無邪気で、
その両面を併せ持ってるってすごいと思う。
ただ、そうだからこそ、
美樹は男から人気があるし
自分だけのものではない気がいつもしてる。
まぁこんな風にうだうだと言っていると、
美樹は全然こんなこと気にしていなかったりして、
はるかにおれより自由だから、
空回りで終わることがほとんどなんだけどさ。
なんだかなぁ…。
男なのに全然リードしてないな、おれ。
あー、おれってほんと悪い方向にばっかり話を進めるなぁ。
記念日だしもっと前向きなことを書くようにするよ。
話を変えよう。
さんざん文句を書いた後に
こう言うのもなんだけど、おれはそれでも、
一年間幸せだったと思うし感謝しているんだよ。
付き合ったばかりのころ、
美樹の明るさは、
少し人生にふてくされ気味だった
おれにとって生きるためのエネルギーそのものだった。
おれがごちゃごちゃこの関係を壊すようなことを言っても、
美樹の理解があるからここまで壊れずに来られたんだと思う。
美樹が言ってくれた
「いつか二人で一緒にいる意味が、生きる意味にもなればいいね」
っていうセリフをおれは今でも大切にしているから、
これからも手探りながらにうちらなりに進んでいけたらと思う。
美樹は自分が放ったその言葉、覚えているんだろうか。
この手紙で思い出してくれたら嬉しいよ。
これからも決して平坦ではないと思うけど、
お互いを信じて乗り越えていこう。
あ、それと、寝てる間におれのすね毛を剃るのはやめてくれ…。
では、これからも末永くよろしく。
美樹がいてくれてよかったよ。
ありがとう。
P.S.おれの部屋に来るたびに
「痩せた子供の霊が隅っこで見てる」とか言うなよ…。
だとさ。
てか、
あのセリフ名言じゃない?
我ながら感動(笑)
てか、カナリどんぴしゃって思うのは
ジブンだけ?